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ブックマーク / magazine-k.jp (10)

  • いま本をめぐる環境は、とてもよいのではないか

    あけましておめでとうございます。今年で「マガジン航」は創刊から10年を迎えることになります。 昨年は下北沢に誰でも来ていただける「編集室」をあらたに設けました。今年はこの場所を拠点に、ウェブメディア以外にもいろいろな活動をしてまいります。今後も「マガジン航」をどうぞよろしくお願いいたします。 *   *   * この年末年始は仕事を離れて自分の読みたいだけを読んで過ごした。10年前にこのサイトを立ち上げたときに漠然と思い描いていたような、電子化へと急激に舵を切るような「の未来」は、2019年の現在もまだ現実には訪れていない。けれどもいま私たちが享受している書物をめぐる環境は、読者という立場に身をおくかぎりは、きわめて快適といっていいだろう。 仕事納めのあと、買ってからしばらく積んであったの山を崩し、手始めに野崎歓『水の匂いがするようだ――井伏鱒二のほうへ』(集英社)にとりかかった。一

    いま本をめぐる環境は、とてもよいのではないか
    hyperlexia539
    hyperlexia539 2019/01/07
    同感。すくなくとも読者という立場からだと、読むキッカケや読む媒体や表現手法、推し本の紹介する方法などが多様化していて楽しい。いろんな楽しみ方がある
  • 出版業界は沈みゆく泥舟なのか

    まるで沈みゆく泥舟のようではないか、と思う。日の出版業界のことだ。 このコラムは毎月、基的に月初に公開することにしている。毎月更新される小田光雄氏の「出版状況クロニクル」や、ジュンク堂書店の福嶋聡氏の「屋とコンピュータ」といったコラムを意識しつつ書いているのだが、これまではできるだけポジティブな話題を見つけるようにしてきた。でも今月はどうしても筆が進まず、公開が週をまたいでしまった。いまだに何を書いてよいやら、という諦めのような境地にさえなっている。 「文字もの」電子書籍は未だに紙の4% そうした思いを抱いた理由の一つは、先月に相次いで公開された出版市場統計である。 まず、インプレス総合研究所から2017年の日電子書籍と電子雑誌の市場規模が発表された。同研究所の調査によると、昨年の電子書籍市場規模は前年比13.4%増の2241億円、電子雑誌市場規模は前年比4.3%増の315億円。

    出版業界は沈みゆく泥舟なのか
    hyperlexia539
    hyperlexia539 2018/08/06
    文字ものの書籍は自分も紙で買うことが多かったけど、SiriのKindle読み聞かせ機能を使うようになってから電子版買う冊数が増えた。まだまだこれから
  • 第7回 「紙vs電子」はWin, Lose or Draw

    イメージ通りではなかった電子コミック時代 第1回の「出揃った電子コミックのプレイヤーたち」から連載をスタートしてまもなく一年が経つ。第1回では、コンテンツホルダーでもある出版社が格的に電子コミックに舵を切ったことでいよいよ格的な電子コミック時代が来る、ということを書いた。 たしかに電子コミック市場は右肩上がりを続けている。逆に紙の出版物は部数、金額ともに縮小に歯止めがかかっていない。予想通りといえばその通りなのだが、現状は思い描いていた電子コミック時代とは少し違っている。 肝心の「電子コミック」の未来像がよく見えてこないのだ。原因は三つある。 一つ目は、配信の中心になっているのが無料コミックアプリだということだ。無料コミックアプリはコミックを売るのではなく、コミックでお客を集めて、コミック以外の広告やスタンプを売るビジネスと考えたほうがいい。コミックはおまけみたいなものだ。配信元は内容

    第7回 「紙vs電子」はWin, Lose or Draw
    hyperlexia539
    hyperlexia539 2018/02/23
    “これまでの出版が扱ってきたのはコンテンツを詰めた出版物というモノであり、電子が扱うのはコンテンツそのもの、という実に単純なこと”
  • 第6回 電子コミック時代はマンガ・エージェントが活躍する!?

    印刷されたマンガから電子コミックへのシフトが確実に進む中で、注目されているのが「エージェント」という仕事だ。 エージェントという職業はこれまで日の出版界にはほとんど定着していない。しかし、欧米の出版界では古くから「リテラリー・エージェント」という職業があるのだ。 「作家の代理人」とでも訳せばいいのか。作家に代わって出版社への売り込みや契約、二次使用権の管理、プロモーション、テレビ化や映画化などのメディアミックス、シリーズやキャラクターの長期的なセールス・プランニングなどを行う専門職のことである。 欧米ではリテラリー・エージェントが欠かせない存在に 前回も書いたように作家・クリエーターには売り込みやお金の管理、交渉事が苦手という人が多い。そこで、苦手な部分をそっくり専門家に任せてしまうのだ。税金のことなら税理士、法律なら弁護士、といったぐあいに出版関係の専門家が存在すると思ってもらえばいい

    第6回 電子コミック時代はマンガ・エージェントが活躍する!?
  • 文庫とライブラリーの間で

    10月13日に東京で開催された、第103回全国図書館大会東京大会の第21分科会(テーマ:公共図書館の役割と蔵書、出版文化維持のために)において、文藝春秋の松井清人社長が行った「公共図書館は文庫を貸さないでほしい」との趣旨の発言が波紋を呼んでいる。 この分科会報告はネット上で資料が公開されており、PDFで読むことができる。そこで、私もさっそく手に入れ目を通してみた。上の言葉に相当する部分を引用する。 出版文化を共に支えてくださる公共図書館にお願いします。どうか文庫の貸し出しをやめてください。それによって文庫の売上げが大幅に回復するなどとは思っていません。図書館では文庫は扱っていない、それなら屋で買うしかない、文庫くらいは自分で買おう。そんな空気が醸成されていくことが何より重要なのです。 この分科会では松井氏のほかに、みすず書房の持谷寿夫氏(日書籍出版協会 図書館委員会委員長)、慶應義塾

    文庫とライブラリーの間で
    hyperlexia539
    hyperlexia539 2017/11/01
    “「空気の醸成」とは出版社が抗うべき反知性主義にもっとも棹さす態度ではないか。”
  • 第5回 デジタルで変わるマンガ家の仕事

    前回はデジタル化が編集者に及ぼす影響について考察したが、今回はマンガ家がデジタル化によってどう変わったのか、変わるのかについて考察してみたいと思う。一部、これまでとかぶる部分もあるが、ご容赦いただきたい。 制作支援ソフトがマンガ家を救う 1990年代半ばからのコンピュータの高性能化やネット通信インフラの整備は、マンガ家の仕事にも大きな影響を与えた。ひとつには、マンガの執筆道具としてコンピュータが使われるようになったことがあげられる。 奥浩哉が、2000年から「週刊ヤングジャンプ」に連載した『GANTZ』の背景にデジタル処理を用いるなどしたことが草分けとされているが、最大のエポックといえるのは、第3回でも触れたように、2001年にセルシスがマンガ原稿制作支援ソフト「コミックスタジオ」を発売したことだ。 それまで使われていたアドビの「フォトショップ」や「イラストレーター」などと比較して、使い方

    第5回 デジタルで変わるマンガ家の仕事
    hyperlexia539
    hyperlexia539 2017/10/11
    ウェブ連載や電子書籍のロイヤリティによる収益が重要になってくるので、マンガ家の方はことさら契約内容の把握と交渉が大切ですね。
  • 出版デジタル機構がNetGalleyを始めた理由

    出版デジタル機構がNetGalleyというサービスを始めた。NetGalleyを直訳するなら「ネットのゲラ」。これだけでは意味がわからない。 いま出版社は、書籍の発売前にプルーフ版(仮刷り版)をつくり、新聞や雑誌の書評欄担当者や書評家などに送ることが多い。これを紙ではなくデジタル(PDFまたはePUB)に置き換えたものがNetGalleyだ。ただし、紙のプルーフ版は出版社が一方的に送るが、NetGalleyはサービスに登録した会員のなかから出版社が選んだ人物に送る。 出版デジタル機構の新名(にいな)新社長からこのサービスの話を聞いたとき、これはいいなと思った。わたしにもときどき出版社からプルーフ版が送られてくる。以前から「これがデジタルだと楽なんだけどな」と思っていた。ふだんを買うときは、まずデジタルで探すのが習慣になっているから。以前、iBookで献してくれた出版社があって、これは快

    出版デジタル機構がNetGalleyを始めた理由
  • 第3回 デジタル時代の「マンガ文法」とは

    電子コミックの未来を考えるとき、今のところ道は大きく二つに分かれているように見える。 ①紙のマンガと変わらないマンガ表現を電子でも再現する。 ②電子端末に適合した、これまでとは違う新たなマンガが生まれる。 スマホやタブレットに配信されている日のマンガはこれまで主に①の道を歩んできた。②は日のケータイコミックや韓国のウエブトゥーンが歩んできた道である。それぞれについて検証してみたい。 伝統的日マンガ文法「メクリ」「ヒキ」 日のマンガには独自のマンガ文法がある。それは「見開きをひとつの単位として、コマ割り表現と構図によって、動かない絵をあたかも動いているように読者に見せるためのテクニック」と言い換えてもいい。もちろん絵やセリフも重要だが、絵がどんなにうまくても、セリフがかっこよくても、コマ割り表現と構図がまずい、つまり文法におかしければ、読者は離れてしまう。 例えば、大きな塔が倒れるシ

    第3回 デジタル時代の「マンガ文法」とは
    hyperlexia539
    hyperlexia539 2017/06/23
    縦スクロール漫画独自の表現は面白いと思うけど見開きとして直すのにコストがかかるので、コミック化(電子書籍も含む)されにくいのが気がかり。
  • 第2回 電子コミックとスマートフォンの蜜月はいつまで?

    前回の記事では、電子コミック市場の現状について「先は長いもののかなり前進した」と書いた。「先が長い」というのはほかでもない。まだまだ乗り越えるべき障碍がいくつも残っているからだ。今回はその中のひとつである読書端末について考えてみたい。 電子コミックはなにで読む 当たり前の話だが、電子コミックを読むためには読書用の端末とビュワーが必要だ。ダウンロードするためにはネットにも接続しなくてはならない。 紙のマンガなら、さえ手に入れたらすぐ読めるのに、電子コミックを単体で読むことは今のところ不可能だ。電子か紙かの議論になったとき、紙派の人たちが必ず持ち出してくるのがこの点である。紙なら単体で読めるのに、どうしてわざわざ端末やビュワーを使って読むのか。たしかに一理ある。電子コミック派が「アナログレコードがCDにとって替わられたように、フィルムがデジタルカメラにとって替わられたように、もデジタル化し

    第2回 電子コミックとスマートフォンの蜜月はいつまで?
  • 第1回 出揃った電子コミックのプレイヤーたち

    「電子コミックの未来はどこに?」というタイトルで「マガジン航」に原稿を書いたのは2014年10月。その後、電子コミックビジネスをめぐる状況はどのように変化したのだろうか? 進んだのか、退いたのか、留まっているのか。結論を先に言えば、先は長いもののかなり前進した。とくに、2016年の進化は目覚しく、おそらく、10年後のマンガ産業論の研究者は、昨年を「重要な1年」と位置づけるはずである。 電子コミックに舵を切った出版社 まず数字から見てみよう。 出版科学研究所が発行する月刊誌『出版月報』2017年2月号の特集「紙&電子コミック市場2016」によれば、2016年(1月~12月)の紙版、電子版を合わせたマンガの販売金額は4,454億円で前年比100.4%。マイナス基調が続いていたマンガ業界にはわずかとはいえ嬉しい数字となった。内訳は、紙版が2,963億円で90.7%とマイナス。とうとう3,000億

    第1回 出揃った電子コミックのプレイヤーたち
    hyperlexia539
    hyperlexia539 2017/04/21
    マンガ産業の深い考察。“「未来は君たちが創る」”
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