第18回パーキンソン病・運動障害疾患コングレス(大会長 村松慎一先生)のイブニングビデオセッションにて,当科森泰子先生が「しびれ感,筋力低下とともに不随意運動を呈した60歳男性」の発表をしました.手袋靴下型のしびれ感,四肢筋力低下とともに認知機能障害,四肢の顕著なミオクローヌス(陽性+陰性?),偽アテトーゼを呈しました.前医で行ったIVIG,IVMPとも無効.脊髄MRIで神経根の肥大.脳脊髄液タンパク著明高値.以上よりノドパチーを疑い,血清Caspr1抗体陽性が判明.中枢神経症状にもこの抗体が関与した可能性を疑い,脳脊髄液中を検索したところやはり抗体陽性(Caspr1は中枢神経にも存在します).ラット脳を用いた免疫染色でも陽性.リツキシマブによる治療を行ったところいずれの症状もほぼ消失・・・ということでCaspr1抗体が自己免疫性脳炎を来しうる可能性を初めて示した症例報告でした(投稿中).