【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮は、韓国の文在寅政権が21日の開催を提案した軍事当局間会談に対し、同日午後までに回答を示さず、会談は流れた。韓国政府は引き続き、北朝鮮に応じるよう呼びかけたが、金正恩政権は、構想ありきで対話再開に前のめりになる文大統領の焦りを見透かしているようだ。 韓国国防省報道官は21日、「南北間の軍事的緊張緩和と対話チャンネルの復元は朝鮮半島の平和と安定のために喫緊の課題だ」と述べ、北朝鮮に会談に応じるよう重ねて求めた。 文氏は6日、ベルリンで朝鮮半島の平和構想について演説し、北朝鮮に朝鮮戦争の休戦協定締結64年の27日に合わせ、軍事境界線での敵対行為の中断と盧武鉉政権時代の南北首脳宣言10年の10月4日に南北離散家族の再会行事開催を提案。これに沿って軍事当局間会談と8月1日の南北赤十字会談が呼びかけられた。 趙明均統一相は、事前の水面下接触について「特になかった」とし、「北