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ブックマーク / www.aozora.gr.jp (10)

  • 作家別作品リスト:徳冨 蘆花

    明治、大正期の小説家。名は健次郎。熊県水俣の惣庄屋兼代官をつとめる名家に、漢学者の一敬を父、蘇峰(名、猪一郎)を兄として生まれる。少年期に京都同志社に学び、いったん熊に戻った時期に受洗。後に同志社に復学したが、新島襄の義理の姪との恋愛をとがめられて、上京。兄の経営する出版社・思想結社、民友社に加わる。同社の「国民新聞」「国民之友」などに原稿を寄せ、「不如帰」で一気に文名を得た。日清戦争を契機に、平民主義的な立場から国家主義へと蘇峰が思想的立場を転じていく中で、1903(明治36)年には民友社を去り、自費出版した「黒潮」の巻頭に、兄との決別を告げる「告別の辞」を掲げる。その後、富士山登頂中に人事不省に陥り、回復の過程で「再生」を体験。パレスチナへの巡礼とトルストイ訪問などを経て半農生活に入り、特異な宗教的な確信へと傾斜していった。 「徳富蘆花」 公開中の作品 燕尾服着初めの記 (新字

    iR3
    iR3 2014/10/18
    徳富蘆花はトルストイに心酔し、直接訪ねて親交があった。その後の半農生活(晴耕雨読)はトルストイの影響だったのね。日本の文豪と「光あるうちに光のうちを歩め」と説いたロシアの文豪は繋がっていた。
  • 2017年01月01日「土地とともにあるパブリック・ドメイン」- そらもよう

    今年も青空文庫の誕生日である7月7日がやってきました。 今日までその活動を27年間地道に続けて来られたのは、実作業で支えてくださった多くのボランティアのみなさんと、収録された作品をさまざまに楽しみ、その可能性を広げてきてくださったユーザのみなさんのおかげです。 あらためて御礼申し上げます。ありがとうございます。 さて、2023年1月1日から継続して進めて参りました「式年遷宮」ですが、ようやく新規データベースサーバの引っ越しの目処がつきました。 元旦でお知らせしていた日7月7日からの運用には間に合いませんでしたが、この8月から実データを構築中の新データベースに移し、そして運用を試験して大きな問題がなければ、この秋には引っ越しを完遂したいと考えています。 (もちろん試用しながら都度バグフィックスを行う必要が生じますので、夏のあいだにタイミングを慎重に見極めなければなりません) ともあれ、お

    iR3
    iR3 2012/01/07
    なるほど著作権法は「文化の発展」というより高い目標を実現するための手段の一つ
  • 宮沢賢治 風の又三郎

    どっどど どどうど どどうど どどう 青いくるみも吹きとばせ すっぱいかりんも吹きとばせ どっどど どどうど どどうど どどう 谷川の岸に小さな学校がありました。 教室はたった一つでしたが生徒は三年生がないだけで、あとは一年から六年までみんなありました。運動場もテニスコートのくらいでしたが、すぐうしろは栗(くり)の木のあるきれいな草の山でしたし、運動場のすみにはごぼごぼつめたい水を噴(ふ)く岩穴もあったのです。 さわやかな九月一日の朝でした。青ぞらで風がどうと鳴り、日光は運動場いっぱいでした。黒い雪袴(ゆきばかま)をはいた二人の一年生の子がどてをまわって運動場にはいって来て、まだほかにだれも来ていないのを見て、「ほう、おら一等だぞ。一等だぞ。」とかわるがわる叫びながら大よろこびで門をはいって来たのでしたが、ちょっと教室の中を見ますと、二人(ふたり)ともまるでびっくりして棒立ちになり、それか

  • 家庭の幸福

    太宰治 「官僚が悪い」という言葉は、所謂(いわゆる)「清く明るくほがらかに」などという言葉と同様に、いかにも間が抜けて陳腐で、馬鹿らしくさえ感ぜられて、私には「官僚」という種属の正体はどんなものなのか、また、それが、どんな具合いに悪いのか、どうも、色あざやかには実感せられなかったのである。問題外、関心無し、そんな気持に近かった。つまり、役人は威張る、それだけの事なのではなかろうかとさえ思っていた。しかし、民衆だって、ずるくて汚くて慾が深くて、裏切って、ろくでも無いのが多いのだから、謂(い)わばアイコとでも申すべきで、むしろ役人のほうは、その大半、幼にして学を好み、長ずるに及んで立志出郷、もっぱら六法全書の糞(くそ)暗記に努め、質素倹約、友人にケチと言われても馬耳東風、祖先を敬するの念厚く、亡父の命日にはお墓の掃除などして、大学の卒業証書は金色の額縁にいれて母の寝間の壁に飾り、まことにこれ父

  • 『善の研究』・第一編

    西田幾多郎 序 この書は余が多年、金沢なる第四高等学校において教鞭を執っていた間に書いたのである。初はこの書の中、特に実在に関する部分を精細に論述して、すぐにも世に出そうという考であったが、病と種々の事情とに妨げられてその志を果すことができなかった。かくして数年を過している中に、いくらか自分の思想も変り来り、従って余が志す所の容易に完成し難きを感ずるようになり、この書はこの書として一先ず世に出して見たいという考になったのである。 この書は第二編第三編が先ず出来て、第一編第四編という順序に後から附加したものである。第一編は余の思想の根柢である純粋経験の性質を明(あきらか)にしたものであるが、初めて読む人はこれを略する方がよい。第二編は余の哲学的思想を述べたものでこの書の骨子というべきものである。第三編は前編の考を基礎として善を論じた積(つもり)であるが、またこれを独立の倫理学と見ても差支ない

  • 善の研究 (西田 幾多郎)

    石川県生まれ。1896(明治29)年に金沢の第四高等学校講師、次いで教授となった。1911年(明治44)に発表した「善の研究」で、その西洋哲学と充分比肩しうる独創性で日の思想界に衝撃を与える。その後も西田は「善の研究」の〈純粋経験〉の立場に長年にわたり厳しい批判を重ね、ついに〈場所の論理〉に到達する。その後、マルクス主義の台頭を睨みつつ〈歴史的現実世界〉の問題と取り組み、〈場所〉を〈弁証法的世界〉として具体化し、〈絶対矛盾的自己同一的世界の自己限定〉として〈歴史的実在〉の世界をとらえる立場を展開した。 近年になって脱構築の流れに乗って世界的な再評価が進んでいる哲学家の一人である。(nns) 「西田幾多郎」

    善の研究 (西田 幾多郎)
  • 古事記物語(鈴木三重吉)

    鈴木三重吉 目次 女神(めがみ)の死(し) 天(あめ)の岩屋(いわや) 八俣(やまた)の大蛇(おろち) むかでの室(むろ)、へびの室(むろ) きじのお使(つか)い 笠沙(かささ)のお宮 満潮(みちしお)の玉、干潮(ひしお)の玉 八咫烏(やたがらす) 赤い盾(たて)、黒い盾(たて) おしの皇子(おうじ) 白い鳥 朝鮮征伐(ちょうせんせいばつ) 赤い玉 宇治(うじ)の渡(わた)し 難波(なにわ)のお宮 大鈴(おおすず)小鈴(こすず) しかの群(むれ)、ししの群(むれ) とんぼのお歌 うし飼(かい)、うま飼(かい) 女神(めがみ)の死(し) 一 世界ができたそもそものはじめ。まず天と地とができあがりますと、それといっしょにわれわれ日人のいちばんご先祖の、天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)とおっしゃる神さまが、天の上の高天原(たかまのはら)というところへお生まれになりました。そのつぎには高皇産

  • 青空文庫 Aozora Bunko

    インターネットの電子図書館青空文庫へようこそ。 「青空文庫、新館引越中」 初めての方はまず「青空文庫早わかり」をご覧ください。 ファイル利用をお考えの方は、こちらをご一読ください。 「青空文庫収録ファイルを用いた朗読配信をお考えのみなさまへ」 メインエリア

  • 北村透谷 人生に相渉るとは何の謂ぞ

    繊巧細弱なる文学は端なく江湖の嫌厭を招きて、異(あや)しきまでに反動の勢力を現はし来りぬ。愛山生が徳川時代の文豪の遺風を襲ひて、「史論」と名(なづ)くる鉄槌を揮(ふる)ふことになりたるも、其の一現象と見るべし。民友社をして愛山生を起たしめたるも、江湖をして愛山生を迎へしめたるも、この反動の勢力の欝悖(うつぼつ)したる余りなるべし。 反動は愛山生を載せて走れり。而して今や愛山生は反動を載せて走らんとす。彼は「史論」と名くる鉄槌を以て撃砕すべき目的を拡めて、頻(しき)りに純文学の領地を襲はんとす。反動をして反動の勢を縦(ほしいまゝ)にせしむるは余も異存なし、唯だ反動を載せて、他の反動を起さしむるまで遠く走らんとするを見る時に、反動より反動に漂ふの運命を我が文学に与ふるを悲しまざる能はず。愛山生は、文章即ち事業なる事を認めて、「頼襄論」の冒頭に宣言せり。何が故に事業なりや。愛山生は之を解いて曰く

  • 夏目漱石 夢十夜

    こんな夢を見た。 腕組をして枕元に坐(すわ)っていると、仰向(あおむき)に寝た女が、静かな声でもう死にますと云う。女は長い髪を枕に敷いて、輪郭(りんかく)の柔(やわ)らかな瓜実(うりざね)顔(がお)をその中に横たえている。真白な頬の底に温かい血の色がほどよく差して、唇(くちびる)の色は無論赤い。とうてい死にそうには見えない。しかし女は静かな声で、もう死にますと判然(はっきり)云った。自分も確(たしか)にこれは死ぬなと思った。そこで、そうかね、もう死ぬのかね、と上から覗(のぞ)き込むようにして聞いて見た。死にますとも、と云いながら、女はぱっちりと眼を開(あ)けた。大きな潤(うるおい)のある眼で、長い睫(まつげ)に包まれた中は、ただ一面に真黒であった。その真黒な眸(ひとみ)の奥に、自分の姿が鮮(あざやか)に浮かんでいる。 自分は透(す)き徹(とお)るほど深く見えるこの黒眼の色沢(つや)を眺めて

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