2024 . 06 « 12345678910111213141516171819202122232425262728293031» 2024 . 08 「とりあえず、コレ見てくれる?」 差し出されたディスクを受け取ると俺は、再生機の中に手荒に押し込んだ。 普段なら美人の訪問には諸手を挙げてお迎えするのだがその日の俺は、ちょっと違った。 ……すでに遅い時間になっていたし、人数の足りない整備班の俺は連日の残業続きで苛立っていたのだった。 彼女――香月夕呼副司令――がハンガーに来るのは、とりわけ珍しいことではない。 なんでも、新造機の保護ビニールカバーを剥がすのがストレス解消になるらしく新造機が搬入される度に、 俺は司令部に連絡をいれ彼女につき合わされるのだ。 再生された画面には、吹雪が映っていた。僚機のガンカメラで撮影したものであろう。 正直なところ映りはあまりよくない。 市街地における戦術