原子力規制委員会の検討会は2日、東京電力福島第1原発の汚染水対策で、建屋周辺の土壌を凍らせる「凍土遮水壁(とうどしゃすいへき)」が完全に凍結しないため、周辺にセメント系の材料を注入する東電の計画を了承した。運用開始から2カ月が経過しても汚染水抑制の効果が見えず、追加工事が必要と判断した。東電は近日中に工事に着手する。 東電によると、凍土壁周辺の地中温度は測定箇所の97%で0度を下回ったものの、1号機北側、東側と4号機南側では7・5度を超え、凍らない箇所が複数残った。石の多い地層で水が流れやすくなっていることが原因とみられ、工事で隙間を埋め凍結を促進する。 規制委は、海側から段階的に進める凍結範囲の拡大について、地下水位の急激な変化などのリスクが小さいことから、山側の95%まで凍結する次の段階への移行も了承した。