「見える化」のレベルがスゴイ ダイセル式の手法を大まかにまとめると,こうなる。(1)最初に徹底的に業務の見える化を実施する(ミエル),(2)そこで表面化したムダを何より先に取り除く(ヤメル),(3)カイゼン活動に入る(カワル)---の3段階だ。特に(1)と(2)は従来型の手法と大きく異なるので,それぞれどこが違うのかを見ていく。 (1)のミエルで決定的に異なるのは,その徹底ぶりである。まず,従来型の活動では,見える化の活動の中心がどうしても生産現場に偏ってしまいがちになる。しかし,ダイセル式では必ず,一つの事業体を単位に,丸ごと見える化する。「ものづくりにかかわっているのは生産現場だけではない。技術者はもちろん,総務や人事の職員も何らかの形でかかわっている」(小河氏)。このすべての「かかわり方」を白日の下にさらすわけだ。 その違いを分かりやすく表したのが図2(a)である。この図では,X軸を
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