ギークとスーツ,という言葉がある。ITの世界においてギークはソフトウエア開発者を指す。ただの開発者ではなく,腕は立つがあまり一般常識にこだわらない開発者をこう呼ぶことが多い。スーツは,事業を企画したりマネジメントしたりしてビジネスを成立させるビジネスパーソンのことだ。 なぜこの言葉を紹介したかというと,ITproが編集した「Ruby技術者認定試験公式ガイド」の監修者まえがきを,まつもとゆきひろ氏がギークとスーツの話から始めているからだ。「ギーク族はスーツ族に対して『技術もわからないくせに』という意識を持つことが多く,逆にスーツ族はギーク族のことを『人間味に欠けているんじゃないか』と思うことがしばしばあります」と。「このギーク族とスーツ族の対立は,あらゆるソフトウェア開発の現場で見受けられますが,オープンソース界隈では特に顕著です」(まつもと氏)。 このような「ギークとスーツの対立」を解消す