●初出:月刊『潮』1990年9月号「市民講座」●執筆:坂本 衛 ガットとは? 一九九〇年七月のヒューストン・サミット(先進国首脳会議)で出された経済宣言に「ウルグアイ・ラウンドの年内終結を確認する」とありましたね。ウルグアイ・ラウンドとはなんですか? そうですね。ウルグアイ・ラウンドについてお話する前にガット(GATT)というものを説明しておいたほうがよいでしょう。 ガットはGneral Agreement on Tariffs andTradeの略語で、日本語に訳すと「関税・貿易一般協定」となります。これは一九四七年に主要二三か国が調印した協定で、日本は五五年に加盟。現在では九六か国が加盟し、中国やソ連など約六〇か国がオブザーバーとして参加しています。なお、ガットは「ガット一一条」というように協定そのものを指す場合と、同協定に沿った国際機構的な存在(会議や紛争処理の場。本部はジュネーブ)