ひみつジャナイ基地 / 松本 樹+白石卓央 歴史と風景をひも解き、曲面屋根と大黒柱で一遍上人の思想を表した交流拠点 本施設は愛媛県松山市、道後エリアをフィールドに、アートを通じて交流人口を増やし、将来に渡って継承可能な「道後らしさ」の再構築を目指す「道後アート 2019・2020」の活動・交流拠点として、29歳以下の若手を対象とした実施コンペによって選定された作品をベースに計画されたものである。 四国は松山、道後地区に点在する神社仏閣の1つに、時宗開祖である一遍上人の生誕地と伝わる宝厳寺がある。道後温泉本館の東、山裾に鎮座する宝厳寺へと向かう上人坂は、門前町としての歴史から始まり、夏目漱石の名著「坊っちゃん」では花街として描かれ、通称ネオン坂とも呼ばれた場所である。 現在ではそれらのコンテクストが薄れるなか、社会状況に伴う空き家の点在も起因し、混沌とした空気を纏う場となっている。 本計画案