都市部に住宅を設計するとき、ほとんどの場合は建物の外壁自体が境界線となる場合が多い。そのため、境界線にさらに敷地を囲むような塀を建てることはあまりない。狭い土地にめいっぱい建物を建てるという昨今の住宅事情によって、塀のない家も増えてきている。時代とともに境界上の仕切りは変化している。生け垣、竹垣、板塀からコンクリートブロック、コンクリート塀に。時代によって境界の素材は移り変わり、その時々の町並みをつくり出している。境界に立つ仕切りとしての塀は道側の面は公共の風景、内側は住人の風景となる。仕切りは敷地と道、敷地と隣地を区切っているものであると同時に、その2つを“つなぐ”ものでもある。 話を住宅地から街中にうつしてみると、商業地区では各店舗が自分のブランドイメージを公共に表現するツールとしてファサードデザインに力を入れている。表参道、銀座などでは各ブランドが境界線上に個性を競い合ったファサード
![建築家 永山祐子 x SACLAB「機能と楽しみを持った、新しい場としての境界」 | Web Magazine AXIS / Webマガジン「AXIS」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/c9d8c8a905f68ae756c6d06e9139784cb793877f/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.axismag.jp%2Faxismag-admin%2Fwp-content%2Fuploads%2F2014%2F02%2Fimg_nagayama2.jpg)