経済産業省は12日、2030年時点の原子力や火力、太陽光など各電源の発電コストを公表した。原発の発電コストは、1キロワット時あたり「11円台後半以上」と試算。太陽光などよりも高くなり、これまでの「最安値」から転落した。東京電力福島第1原発事故を踏まえた安全対策費の増加などを反映したため。政府や電力会社が原発推進の支えとしてきたコスト面での優位性が揺らぎそうだ。 原発は、04年の試算では「5・9円」と他の電源に比べて圧倒的に安価とされていた。しかし、福島原発事故後の11年の試算では事故の賠償、除染費用や立地自治体への交付金などもコストに算入されて「8・9円以上」に上昇。15年も安全対策費などの増加を踏まえ「10・3円以上」となっており、6年ぶりとなる今回の試算に注目が集まっていた。 一方、政府が目標に掲げた50年の温室効果ガス排出実質ゼロに向けて導入拡大方針を打ち出す再生可能エネルギーは、…