さて、では主観的意見を述べると予告した「後編」です。とはいえ僕は社会活動家のキャラをあまり持ち合わせていないので、自分の「好き/嫌い」の感情だけに終始した、説得力のない作文になるとは思いますが、悪しからず。 ホームレスがいるから東京が好きでした。 生まれ育った新潟では、郊外の住宅地で育ったせいもあって、ホームレス(当時は浮浪者と呼ばれてましたが)を実際に見ることはほとんどありませんでした。美術予備校の講習を受けに東京に来た高校3年の夏、初めて多くの浮浪者を目にしました。僕は何かとても嬉しくなり、「浮浪者がいるからこそ、僕は東京に住みたいと強く願う」といった趣旨のことを、興奮して日記に書き付けたことをよく覚えています。 また例えばこんな軽いエピソードも。浪人中の友人に、父親が京浜工業地帯の小さな町工場の社長、という奴がいました。幼い頃はボンボンとして贅沢三昧の日々を過ごしたけれど、工場