[書評]実践 行動経済学 --- 健康、富、幸福への聡明な選択(リチャード・セイラー、キャス・サンスティーン) 台湾では昔から似たような仕組みがあったように思うが、日本で横断歩道の信号表示に残量タイマー表示が追加されたのは二年くらい前からだろうか。例えば、横断可能な青の状態の時間はあとどのくらいでなくなるか。青の縦バーが刻々と短くなっていくことで表示する。赤の状態でも同じなので青に変わるまでの時間がわかる。 横断歩道の信号に残量表示が付加されることで何かメリットがあるのか。普通に想像してもあると言える。横断中に青の残量が減ってきたら少し小走りで横断したり、横断歩道に着く手前で残量が僅かなら次の青を待つ。以前人々がよくしたように直交する側の道路の信号が黄色になると横断歩道に飛び出すという行為が抑制される。こうした人々の行動を変化させ、交通事故が減らすメリットがある。信号の仕組みに手を加えるこ