1-5-2. 電子情報資源におけるメタデータをめぐる議論の現状 慶應義塾大学文学部教授 細野公男 1. はじめに デジタル・ライブラリーやインターネット環境で作成・利用される電子情報資源は、現代社会においてきわめて重要な資源となりつつある。近年こうした資源の種類は、電子形態の図書や文献、データベース、画像や写真などのイメージ、各種の文書などに代表されるように多岐にわたっており、その量も急速に増大しつつある。 電子情報資源はその多様性、寿命特性、時間・空間を超越した迅速なアクセスの可能性などから、従来の冊子体資料とはアクセス、利用、管理の仕方に大きな違いがあり、冊子体資料を中心としたこれまでの情報流通体制に大きな影響を及ぼしている。その結果、我々の知的生活を構成する種々の枠組みが著しく変容し、利用者の情報行動にも顕著な影響を及ぼしている。 個々の利用者にとって必要なデジタ