日本の鉛筆の歴史は、他の多くの文房具がそうであるように欧米からの輸入品の影響が大きい。では大よそ100年前の日本はどうだったのか。100年前の1918年(大正7年)ころは輸入鉛筆もあったが、すでに日本国内で鉛筆業者が多数存在し、1914~18年の第一次世界大戦の影響で鉛筆大国ドイツの鉛筆供給が滞ったことから、日本の輸出が大いに伸びた時期だ。 その頃より少しあと、大正の終わりごろから昭和初期頃と思われる鉛筆はこんな感じだ。 *右:日本海海戦鉛筆(市川鉛筆製造所)、中:飛行船鉛筆(日本鉛筆製造)、左:東郷元帥鉛筆(市川鉛筆文具) たまたま日露戦争の影響を受けている鉛筆が二つ入っているが、製造会社の社名から大よその時代が推定できるものを選んだ。日本海海戦鉛筆は日露戦争で有名な戦艦三笠の図だが、元の絵は一度消失しており、大正14年に再度描かれたものが有名になっているとのことなので、鉛筆自体も昭和初
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