食の情報を考える上で刺激的な本に続けて出合いました。まずは「健康を食い物にするメディアたち ネット時代の医療情報との付き合い方」(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)です。 著者の朽木誠一郎さんは、医学部を卒業し、ネットメディアの編集長を経験、いまはバズフィードジャパンで活躍する医療記者。2016年、盗用、不正確な情報の掲載が明らかになり閉鎖された医療情報サイト「WELQ(ウェルク)」の問題で、最初にこのサイトの内容について疑問を投げかけました。 「健康や医療についてのウソや不正確な情報に騙されていない人なんて、いないのではないでしょうか」と朽木さんは問いかけます。「健康になりたい」とは誰もが抱く願いですが、医療は、専門家とそれ以外の人との間で、備えている知識や知っている情報の格差が大きい分野です。そしてネットなどの情報通信の技術もまた、専門家とそうでない人の格差が大きい。これを利用して情