長谷川白紙の音楽が開かれたポップスとして成立する所以 『夢の骨が襲いかかる!』に表れた“生身の発声とリズム” 長谷川白紙『骨の夢が襲いかかる!』 7月8日、長谷川白紙のニューアルバム『骨の夢が襲いかかる!』のフィジカル盤がリリースされた。もともと5月29日に配信でリリースされたこのアルバムは、2016年の活動開始以来、初めてカバーソングが収録された作品だ。 長谷川はSoundCloudやBandcampで作品を発表し続け、2018年に初の全国流通盤『草木萌動』をリリース。作品がリリースされるや否や、多くの音楽メディアに取り上げられ、音楽ファンやミュージシャンからも賞賛の声があがった。 特に2019年リリースのフルアルバム『エアにに』は、各メディア、音楽ブログの年間ベストアルバムに挙げられ、『CDショップ大賞』や『APPLE VINEGAR -Music Award-』にもノミネート。さらに
昨年リリースしたアルバム『エアにに』が各方面から絶賛されている弱冠21歳の音楽家、長谷川白紙(以下、長谷川)。様々なジャンルを越境的にミックスした音楽性、公開されない素顔、SNS上でのジェンダーレスな振る舞いなど、その存在は聴くものをけむに巻いているかのようだ。 常に「自分を固定する枠組みを破壊したい」という強い欲求に基づいて行動しているという長谷川。 現役音大生でもある謎多き音楽家に、何にも囚(とら)われない生き方を語ってもらった。 常識との軋轢によって形作られた自我 長谷川が能動的に音楽を聴くようになったのは中学1年生の時。先輩の家で「ハイドンの名によるメヌエット」に出会った。モーリス・ラヴェルが1909年に作曲したピアノ独奏曲だ。 「ポップスやジャズにも通じるミクスチャー感がある、現代的な和声に惹(ひ)かれました」 音楽にのめり込んだ長谷川は、ネットを通じて様々なジャンルを探求するよ
2018年12月に6曲入りEP『草木萌動』を発表するや否や、独創的な音楽性で話題をさらった長谷川白紙(写真左)。ジャズ、現代音楽、フランク・ザッパ、ブレイクコアなどさまざまな素養を感じさせ、すべてを自らのボーカルとアレンジで唯一無二のパッケージにまとめ上げる異才だ。音楽大学で学びながらアーティスト活動を行っているという彼だが、その脳内世界はいかなるものなのだろう? 『草木萌動』に続き、昨年12月にリリースされた初のフル・アルバム『エアにに』でもミックスを務めたエンジニア、The Anticipation Illicit Tsuboi氏(同右)を交えて、プロダクションに関するインタビューを行った。 Text:Tsuji, Taichi Photo:Hiroki Obara(except*) “曲の筋を通すアイディア”を設けて 構造的な作曲を行うこともある ー大学で現代音楽などのアカデミックな
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