誰一人予想できない空前の事態に見舞われた『エール』 朝ドラの歴史上、『エール』ほど様々なトラブルに見舞われたチームも珍しいだろう。放送前の段階から「制作上の都合」という理由で当初の脚本家が交代し、清水友佳子氏、嶋田うれ葉氏、番組スタッフが執筆することが発表され、ただでさえ外野にあれこれと言われる朝ドラに様々な憶測を呼んだ。 放送開始の4月には、社会は新型感染症による未曾有の世界的事態の中にあり、映画館や劇場が次々と閉鎖される中、第一回放送直後の4月1日にはすでに収録が止まっていた。 6月29日にはついに放送そのものが中断、9月14日の再開に至るまで、ここまでの放送分をもう一度繰り返すというかつてない事態に追い込まれた。放送中に開催されるはずだった東京五輪は延期が発表された。今年の初めには誰1人予想できない空前の事態だった。 放送前の3月には、志村けんというスターを新型感染症で失っている。3
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