国際宇宙ステーション(ISS)の維持と国際協力に関するロシア国営宇宙企業ROSCOSMOS(ロスコスモス)のドミトリー・ロゴジン総裁の発言が問題になっている。まるで、ロゴジン総裁がISSの軌道維持を行うロシアの補給船「プログレス」の存在を盾に、米国をはじめとする諸国に制裁解除を迫っているかのような趣旨のメディア記事もあるが、発言を短く切り取った見出しに安易に乗せられるべきではない。 ロシアによるウクライナ侵略が始まった直後の2022年2月25日からこれまで、ロゴジン総裁によるISSを巡る発言と各所との応答を整理する。 2月25日:ISS運用への言及を始める ロゴジン総裁はこれまで何度かISSの高度維持と落下の可能性についてTwitterなどのSNSで挑発的な発言を繰り返している。最初の発言は2月25日のものだった。ISSに関する発言を抜粋すると次のようになる。 「そちらが協力関係を断つので