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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (28)

  • 2019年の傑作日本SF短篇がこの一冊に! 竹書房から新生した《ベスト日本SF》シリーズ──『ベストSF2020』 - 基本読書

    べストSF2020 (竹書房文庫) 発売日: 2020/07/30メディア: 文庫12年に渡って日SF短篇の中から傑作をよりすぐって編集されてきた東京創元社版の年間日SF傑作選が昨年終了してしまった。だが、その後を引き継ぐのがこの『ベストSF2020』! 刊行は東京創元社でもなければ早川書房でもなく、近年積極的にSFを刊行しはじめ、SF界隈で大きな存在感を持つに至った竹書房である。 日下三蔵&大森望タッグで編集されていた創元版の傑作選だが、この竹書房版は大森氏一人選者となっている。今回は選者が一人になったこともあって、初心に戻って「一年間のベスト短編を十前後選ぶ」という方針に立ち戻っていて、これは個人的には良いことであると思う。アンソロジー、それも傑作選を編む時にあれも入れたいこれも入れたいという思いから長くなるのは当然である。だが、分厚けりゃ分厚いほどに読む側としてはうんざりさせら

    2019年の傑作日本SF短篇がこの一冊に! 竹書房から新生した《ベスト日本SF》シリーズ──『ベストSF2020』 - 基本読書
  • 史上もっとも偉大な科学予測の試みとクラークに評された、科学と人類の未来について論じた先駆的名著──『宇宙・肉体・悪魔──理性的精神の敵について』 - 基本読書

    宇宙・肉体・悪魔【新版】――理性的精神の敵について 作者:J・D・バナール発売日: 2020/07/17メディア: 単行この『『宇宙・肉体・悪魔──理性的精神の敵について』』は、X線結晶構造解析のパイオニアであり分子生物学の礎を築いたと言われるJ・D・バナールによる、1929年に刊行された人類の未来について書かれた一冊である。原著が100年近く前であり、過去にみすずで刊行されたのも1972年と、言ってしまえば非常に古臭いである。 僕も今回みすずから新版が出るということではじめて読んだのだけれども、いやはやこれには心底驚かされた。バナールが書で論じたのは、今の我々が暮らす時代よりもさらに先、科学がさらに発展した状況のことであり、人間が身体を機械化し場合によっては宇宙に植民地を広げていくような時にいったい人類にいったい何が起こるのか、という未来のことなのである。そして、その論、そのヴィジ

    史上もっとも偉大な科学予測の試みとクラークに評された、科学と人類の未来について論じた先駆的名著──『宇宙・肉体・悪魔──理性的精神の敵について』 - 基本読書
  • 監督作だけでなく脚本・原案作まで含めてタランティーノを解き明かそうとする評伝──『クエンティン・タランティーノ 映画に魂を売った男』 - 基本読書

    クエンティン・タランティーノ 映画に魂を売った男 作者:イアン・ネイサン発売日: 2020/06/26メディア: 単行この『クエンティン・タランティーノ 映画に魂を売った男』はそのまんま、書名に入っているようにタランティーノについての評伝である。生い立ちからはじまって、どのような経緯でデビュー作である『レザボア・ドッグス』を撮るに至ったのか。 また、第二作『パルプ・フィクション』を経て超人気映画監督へと駆け上がり、彼がその時々でどのようなことを考え映画を撮ってきたのかを、大量の調査、インタビューによってまとめていく。構成的にはシンプルに時系列順、エピソードもすべて作品純に並んでいくので、書刊行時の最新作である『ヘイトフル・エイト』と撮影中だった『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の話で締められている。全文フルカラーで、どのどのページにもタランティーノが関わった映画のポスター

    監督作だけでなく脚本・原案作まで含めてタランティーノを解き明かそうとする評伝──『クエンティン・タランティーノ 映画に魂を売った男』 - 基本読書
    iinalabkojocho
    iinalabkojocho 2020/07/05
    あとで読む(書籍自体を)
  • ケイ素生物は存在不可能なのか? - 基本読書

    『スプーンと元素周期表: 「最も簡潔な人類史」への手引き』というを読んでいるのですがこれがおもしろい! 化学なんてわけのわからない、面倒くさい暗記科目としか思っていなかった高校時代の自分に読ませてあげたい、素記号が意味を持って生き生きとしてくるだ。元素、原子といったものを網羅的にカバーしたであり、それが世界そのものを形づくっているという根的なイメージを抱かせてくれる。 「化学」で一冊あげるとしたらこれだというレベルの、オールタイムベストノンフィクションだ。まったく今まで知識がなかった分野なので少しずつ頭に回路を作りながら読んでいるため時間がかかる。ただ読んでいる途中でどうしても触れておきたいトピックが出てきたのでここにまとめておく。それがSFファンにとっては夢のひとつであるケイ素系の生物の可能性だ(というか、不可能性か)。 この可能性を探るためには前提知識がいくつか必要で、なかなか

    ケイ素生物は存在不可能なのか? - 基本読書
    iinalabkojocho
    iinalabkojocho 2020/07/02
    SFの世界だが、まじめに科学としては生命のゴールポストはあやふやよね。マグマの中で生きてるかもしれないものや、ウイルスとか。あり得ないとは言えん。
  • 暗殺作戦、苦難のすべてがこの一冊にまとまった、圧倒的な密度を誇る大著──『イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史』 - 基本読書

    イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史(上) 作者:ロネン バーグマン発売日: 2020/06/04メディア: Kindle版イスラエルの諜報機関──モサド、シン・ベト、アマンの3機関はその能力の高さから世界中に恐れられている。何より暗殺の作戦数が豊富で、一説によるとイスラエルがこれまで国として行ってきた暗殺作戦は2700件にも及ぶという。イスラエルが国として成立したのが70年前の1948年であることを考えると、驚異的な数といえる。 というわけでこの『イスラエル諜報機関』は、そんなイスラエルの諜報機関がこれまで行ってきた暗殺作戦を、その最初期から現代に至るまで丁寧に追った一冊になる。イスラエルの諜報機関の情報って公開されてんの?? と疑問に思ったが、やはりまったく公開されていないみたいで、国防省に調査協力を求めても無意味。イスラエルの各情報機関に、法律の規定に基づいて過去の文書の資料開示を要求す

    暗殺作戦、苦難のすべてがこの一冊にまとまった、圧倒的な密度を誇る大著──『イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史』 - 基本読書
    iinalabkojocho
    iinalabkojocho 2020/06/17
    即買った。読むの楽しみ
  • テクノスリラーの傑作『アンドロメダ病原体』の正統続篇にして、ド直球のSFとして拡張してみせた快作──『アンドロメダ病原体-変異-』 - 基本読書

    アンドロメダ病原体-変異- 上 作者:マイクル クライトン,ダニエル H ウィルソン発売日: 2020/05/26メディア: Kindle版テクノスリラー&SFの傑作マイケル・クライトンの出世作『アンドロメダ病原体』の、別の著者による正統的な続篇がこの『アンドロメダ病原体-変異-』である。 『アンドロメダ病原体』は架空の病原体をめぐる5日間の騒動を描いた小説である。通常の語りとは異なり事態の進行を客観的に記録した報告書のような体裁で、写真や図など具体的な資料が随所に挟み込まれている、特殊なスタイルの小説であった。この『変異』も、そうした小説上のスタイルをきちんと受け継いでいる。 とはいえ、元はマイケル・クライトンの出世作になったことからもわかる通り、科学面でのノンフィクション的な語りなど、氏のスタイルが色濃く出ている作品で、続篇とはいっても難しい面もあるんじゃないかなあ……昔あったコンテン

    テクノスリラーの傑作『アンドロメダ病原体』の正統続篇にして、ド直球のSFとして拡張してみせた快作──『アンドロメダ病原体-変異-』 - 基本読書
    iinalabkojocho
    iinalabkojocho 2020/05/29
    とりあえず買う。
  • 今年も早川書房が海外SF作品の電子書籍セールをはじめたので、新刊を中心におすすめをピックアップ! 2019年版 - 基本読書

    ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF) 作者:ウィリアム ギブスン出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/04/30メディア: Kindle版この数年は毎年の恒例となっている早川書房の海外SF作品電子書籍セールが今年も(2019年)このぎりぎりの年の瀬に始まったので、SFマガジンの海外SF書評欄の連載担当として今年もおすすめをピックアップいたします。全体は下記参照。 www.hayakawabooks.com 毎年セールの顔ぶれが違うのでおすすめする作品もがらっと変わってくるのだけれども、今年ありがたいのはウィリアム・ギブスンによるサイバーパンクの金字塔『ニューロマンサー』や『クローム襲撃』や『ディファレンス・エンジン』が入っていることかな。他、アシモフのファウンデーションシリーズや、ヴォネガットやクラークやディックの諸作品など、有名どころが勢揃い。 特にギブスンの作品はどちらかと

    今年も早川書房が海外SF作品の電子書籍セールをはじめたので、新刊を中心におすすめをピックアップ! 2019年版 - 基本読書
    iinalabkojocho
    iinalabkojocho 2019/12/26
    何も考えずに買っていたのが多数含まれていた。つらみ
  • 情動には客観的な指標は存在しない──『情動はこうしてつくられる 脳の隠れた働きと構成主義的情動理論』 - 基本読書

    情動はこうしてつくられる――脳の隠れた働きと構成主義的情動理論 作者:リサ・フェルドマン・バレット出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2019/11/11メディア: Kindle版怒り、悲しみ、苦しみ、驚きや幸福といった感情の動きは、どのような文化であっても普遍的なものに感じられる。たとえば、未開の部族みたいなものが仮にいたとしても、日人やアメリカ人と同じように怒っている人の顔をみれば怒っているとわかるし、口と目を大きく見開いていれば、驚いているとわかるはずだ(と思ってしまう)。 情動には客観的な指標は存在しない だが、近年の研究によって、情動には客観的な指標となりえるパターンは存在しないことがわかってきた。書は、脳は都度外界と反応し、特別なパターンを情動として「作り出しているのだ」とする、構成主義的情動理論についての一冊なのだけれども、構成主義的情動理論と対比して、そうした「情

    情動には客観的な指標は存在しない──『情動はこうしてつくられる 脳の隠れた働きと構成主義的情動理論』 - 基本読書