人間の言葉を話し、人間のように暮らす「化け猫」あんずちゃんと、大人の前では“いい子”の少女・かりんとの交流を描いた映画『化け猫あんずちゃん』。 実写で撮影した映像をアニメ化する「ロトスコープ」という手法で、お芝居をアニメに落とし込んだ久野遥子監督にインタビュー。作品づくりについてお聞きしました。 》インタビュー後篇を読む 岩井俊二監督『花とアリス殺人事件』のスタッフに抜擢 久野遥子監督。 実は子どもの頃からずっとアニメが大好きだった、というわけでもないんですよ。どちらかというと実写の映画に興味があったんですが、学生のときにたまたま『すて猫トラちゃん』という政岡憲三さん演出の短編アニメーションを観て、それに感動したところから、アニメーションに興味をもつようになりました。 この作品は、いまの日本のアニメーションが確立されるずっと前の、1947年に制作されたものです。「ロトスコープ」の技術は使わ