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ブックマーク / kousyou.cc (15)

  • 【江戸時代の身分制度論】士農工商から身分的周縁へ | Kousyoublog

    2016年五月の初頭ごろだったか、Twitterで士農工商という表記が教科書から無くなっているという話が話題になっていた。そう。もう江戸時代の身分制を「士農工商」として表記することは退けられて久しいのだ。少なくとも一九七〇年代初頭に疑問が呈され、九〇年代にほぼ否定され、その結果として二〇〇〇年代半ば以降、教科書から消えはじめた。 かねてから近世身分制社会について個人的にまとめたいと思っていたので、いい機会と思い改めて研究書籍や論文を読み直したり、新規に関連文献を読んだりして一気にブログ記事としてまとめてみようと思いたったのが運の尽き。なんだかんだで書き終えるまで三か月ほどかかってしまい、かつ三万三千文字オーバーの超長文記事となってしまった。誰が読むんだ。 というわけで、長文を読みたくない人のための簡単なまとめ ・士農工商は職能分担を表す言葉で、社会通念として身分体系を意味するようになるの

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  • 「科学者の不正行為―捏造・偽造・盗用」山崎 茂明 著 | Kousyoublog

    科学者の不正行為を巡る諸外国の事例と対応、日の現状と展望について丁寧な調査に基づいてまとめられた一冊。出版は2002年。 科学者の不正行為―捏造・偽造・盗用 posted with amazlet at 14.04.26 山崎 茂明 丸善 売り上げランキング: 50,846 Amazon.co.jpで詳細を見る 米国には政府が助成した科学研究上の不正行為を調査し、また科学者に対して教育・啓蒙活動を行う政府機関「研究公正局(ORI:Office of Research Integrity)」がある。研究公正局は健康福祉省に属する公衆衛生庁の一部局で、公正教育部門・調査監督部門・研究公正/総合法律顧問部の三つの部門からなり、主に科学者に対して不正行為を行わないように促す教育・啓蒙活動が中心だが、同時に研究機関に対して不正行為の有無を照会し調査を行う権限を持つ。 1993年から97年で同局は約

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    ijustiH 2015/11/28
  • 日本の教育観を呪縛する「パーフェクト・チャイルド」幻想の歴史 | Kousyoublog

    広田照幸著『日人のしつけは衰退したか』は、社会通念としてはびこる「家庭のしつけが衰退している」「青少年の犯罪が増加している」といった言説を詳細なデータをもとに否定しつつ、日社会の教育観を社会教育学の見地から描き出す一冊である。まぁこのについては多くの書評がすでにあるし、一時話題になっていたので読んでおられる方も多いだろうから、敢えてその筋について語る必要はないだろう。このエントリでは、同書で描かれる大正、昭和初期に登場した「パーフェクト・チャイルド」という教育観について簡単に紹介してみようと思う。 第一章 「パーフェクト・チャイルド」概念の登場 近代の日において親向けの教育ガイドブックが登場したのは一九一〇年代で、一九三〇年代頃までには主に台頭しつつあった新中間層向けに育児やしつけに関するノウハウを著した雑誌やが多く発刊されるようになったという。彼ら新中間層の教育意識は第一に「

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  • 「車谷長吉の人生相談 人生の救い」車谷 長吉 著 | Kousyoublog

    反時代的毒虫であるところの作家車谷長吉が二〇〇九年四月から二〇一二年三月まで朝日新聞土曜版紙面「悩みのるつぼ」で担当した人生相談の質問・回答を一冊にまとめたもの。ネット上でもたびたび彼の回答の異様さが話題となっていたのでご存じの方も多いだろう。特に話題となっていたのはこの相談と回答だった。教え子の女生徒が恋しいんです 40代の高校教諭。英語を教えて25年になります。自分で言うのも何ですが、学校内で評価され、それなりの管理的立場にもつき、生徒にも人気があります。と子ども2人にも恵まれ、まずまずの人生だと思っています。  でも、5年に1度くらい、自分でもコントロールできなくなるほど没入してしまう女子生徒が出現するんです。  今がそうなんです。相手は17歳の高校2年生で、授業中に自然に振る舞おうとすればするほど、その子の顔をちらちら見てしまいます。 その子には下心を見透かされているようでもあり

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  • 見頃を迎えた鎌倉最大の梅林「十二所果樹園」と「朝夷奈切通」 | Kousyoublog

    鎌倉駅からバスで20分ほどいった鎌倉市東部、鎌倉霊園裏手に鎌倉最大400の梅林があると知り、丁度見ごろでもあるので行ってきました。ルートはこんな感じです(所要時間二時間~二時間半)。 鎌倉駅東口から湘南京急バス鎌23(鎌倉霊園行)または鎌24(金沢八景駅行)→十二所神社バス停下車→十二所神社(じゅうにそじんじゃ)→梶原景時太刀洗の水→十二所果樹園(じゅうにそかじゅえん)→朝夷奈(朝比奈)切通(あさひなきりとおし:六浦道)→朝夷奈熊野神社→朝比奈バス停→鎌倉駅途中で朝比奈切通に行かず十二所神社バス停方面に戻り、徒歩で近隣の寺院(光触寺、明王院など)を歩きつつ鎌倉へ、あるいは鎌倉駅から朝比奈バス停まで行き逆に廻って十二所神社からさらに近隣の寺院(光触寺、明王院など)を歩きつつ鎌倉にゆっくり戻りながらさらに帰路の史跡(浄妙寺、荏柄天神、頼朝墓、鎌倉幕府址、鶴岡八幡など)を巡るコースもありかなと

    見頃を迎えた鎌倉最大の梅林「十二所果樹園」と「朝夷奈切通」 | Kousyoublog
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    ijustiH 2015/03/20
  • 「日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ」飯尾 潤 著 | Kousyoublog

    の統治構造とはいかなるものなのか、その姿を鮮やかに分析した一冊。出版されたのは二〇〇七年なので、民主党政権成立前の自民党政権時代までの分析だが、とても面白くて、勉強になった。『書は、日における議院内閣制の分析を通し、国会、内閣、首相、政治家、官僚制、政党、選挙制度、政策過程などについて、歴史と言う縦軸、国際比較と言う横軸から照射し、日と言う国の統治構造の過去・未来を、構造的に解き明かす試みである。』(はじめにiiより)そもそも議院内閣制は『議会のみが民主的に選出され、その議会の正統性を基盤として内閣が成立』(P18)するという民意を一元的に代表する、権力集中的な制度である。これに対して大統領制は大統領と議会が別々に選出されることで、民意を二元的に代表する権力分散的な制度となる。つまり、原則的には大統領制よりも議院内閣制の方がはるかに政府の権力は強くなるものだ。ところが日において

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    ijustiH 2015/01/13
    民主への政権交代前の本を民主党政権時代に読むという記事だが解散して圧倒的多数を安倍政権が確保した今読み直すと、なお面白い。
  • 「なぜ政府は動けないのか: アメリカの失敗と次世代型政府の構想」ドナルド・ケトル 著 | Kousyoublog

    米国の行政機構が機能不全に陥っているのはなぜか。著者の母ミルドレッドが亡くなるまでの終末期に活用し十分すぎるほど機能した福祉制度と2006年に米国を襲い甚大な被害を出したハリケーン・カトリーナの対応という一見かけ離れたふたつの事例をとっかかりにして、その両者に共通する行政機構のミスマッチ、すなわち『直面している重要な課題が、多くの場合、これまでその対応のためにつくりだしてきた制度に合っていない』(P26)という現状について、鋭く分析、その処方箋を提示する一冊。著者ドナルド・ケトルは米国の公共政策論・行政学の第一人者。 なぜ政府は動けないのか: アメリカの失敗と次世代型政府の構想 posted with amazlet at 15.01.11 ドナルド・ケトル 勁草書房 売り上げランキング: 748,452 Amazon.co.jpで詳細を見る ミルドレッドのケースとハリケーン・カトリーナの

    「なぜ政府は動けないのか: アメリカの失敗と次世代型政府の構想」ドナルド・ケトル 著 | Kousyoublog
  • 「All You Need Is Kill」桜坂 洋 著 | Kousyoublog

    作品世界へゆっくりと、しかし着実に没入していくその過程は、良質な小説を読むときの魅力的な読書体験だ。を手に取り、ページを開いて、文字を追い、少しずつ、少しずつ入り込んでいく。蒼と生い繁る常緑樹の間を抜ける神社の参道を歩いていく心地よさとときめきにも似た体験だ。しかし、その没入が即座になされる作品も少なくない。 「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。」(川端康成「雪国」)という一文によって脳裏に鮮明に浮かぶ雪景色にしろ、「廻れば大門の見返り柳いと長けれど、お齒ぐろ溝に燈火うつる三階の騷ぎも手に取る如く、明けくれなしの車の行來にはかり知られぬ全盛をうらなひて・・・」(樋口一葉「たけくらべ」)という冒頭を目にしたときに広がる下町の街並みにしろ、その没入体験は一瞬である。 作もまた、最初の一ページ目から作品世界にいざなって・・・否、放りこんでくれる。そこは血と硝煙、

    「All You Need Is Kill」桜坂 洋 著 | Kousyoublog
  • 鎌倉は「鎌倉」であって世界遺産「武家の古都・鎌倉」ではないと思う | Kousyoublog

    鎌倉の世界遺産「不登録」へ、イコモス勧告に市民落胆/神奈川:ローカルニュース : ニュース : カナロコ — 神奈川新聞社 世界遺産 鎌倉不登録、イコモス勧告「武家の物証」不十分/神奈川:ローカルニュース : ニュース : カナロコ — 神奈川新聞社目指していた関係者の皆様は残念でした。世界遺産を目指すための多額の予算と関係者の活動が鎌倉の観光や様々な史跡の整備などに向けられていたようなので、一観光客である僕もかなり恩恵を受けた面があったのだろうと思います。それはそれとして、鎌倉について個人的に思うところを。「武家の古都」としての、鎌倉時代当時の建造物は相次ぐ戦乱のためほとんど残っていない。まず、武家の都の中心である政庁がない。鎌倉幕府初期の政庁があった「大蔵御所」は三代将軍実朝死後の1219年に焼失、続く「宇都宮辻子御所」(1219~1236)、最後の御所となった「若宮大路御所」(123

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    ijustiH 2014/05/12
  • 伊藤博文の「皇太子は操り人形」発言と明治国家の儀礼の創造 | Kousyoublog

    先日の記事「近代日、海水浴の誕生」で明治時代に日の医療制度の確立に多大な影響を与えたドイツ人医師エルウィン・フォン・ベルツについて紹介したが、そのベルツの日記に、彼が侍医を務めた皇太子嘉仁(後の大正天皇)の結婚に関するエピソードとして、伊藤博文の発言が紹介されている。明治三十三(1900)年五月九日の日記より。皇太子の結婚は翌日五月十日のこと。 『一昨日、有栖川宮邸で東宮成婚に関して、またもや会議。その席上、伊藤の大胆な放言には自分も驚かされた。半ば有栖川宮の方を向いて、伊藤のいわく「皇太子に生れるのは、全く不運なことだ。生れるが早いか、到るところで礼式(エチケット)の鎖にしばられ、大きくなれば、側近者の吹く笛に踊らされねばならない」と。そういいながら伊藤は、操り人形を糸で躍らせるような身振りをして見せたのである。――こんな事情をなんとかしようと思えば、至極簡単なはずだが。皇太子を事実

    伊藤博文の「皇太子は操り人形」発言と明治国家の儀礼の創造 | Kousyoublog
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    ijustiH 2014/05/10
  • 市町村別水道料金高い自治体、安い自治体トップ10 | Kousyoublog

    千賀裕太郎監修「ゼロから理解する 水の基: 水の安全と環境、ビジネス最前線まで (すぐわかるすごくわかる!)」に市町村別の水道料金が高い自治体、低い自治体それぞれ上位10件のランキングが掲載されていて興味深かったので紹介します。 同書の表の元データとなった総務省「地方公営企業年鑑 第59集」を確認すると、全国平均は1489.2円(参考:規模別家庭用10m3当たり水道料金(法適用)(Excelファイル 34 KB))とのことなので、それぞれがどれだけ高いか、またどれだけ安いかがわかります。しかし、探し方が悪かったせいか、ネットで公開されている資料から表に使われているような具体的な地方自治体のデータを見つけきれなかったので、同書の表の数値について検証できていませんが前述のファイルには水道料金帯ごとの自治体数が掲載されていて、その数自体は上記の表と一致しているので、おそらく信頼していいと思いま

  • 「ドキュメント アメリカの金権政治」軽部 謙介 著 | Kousyoublog

    2012年に行われたアメリカ合衆国大統領選・議会選では合計で六〇億ドル(約四八〇〇億円)もの政治資金が集められたという(参考)。小国のGDPを軽く凌駕(例えば2012年のギニアのGDPが五六億ドル(参考))するほどの選挙費用からわかるように、アメリカ政治にはとにかく金がかかる。 上記の六十億ドルが史上最高額であったように選挙のたびに増大する一方の選挙資金、様々な利益団体の利害を代表して政治家に請願を行うロビイストたちの活動、地元への利益誘導のために予算分捕り合戦に血道を上げる政治家たち、繰り返される汚職、そして飛び交う金金金・・・そんな、現代アメリカの金権政治の実情を様々な事件・資料をもとに描き出していて、とても面白い。 ドキュメント アメリカの金権政治 (岩波新書) posted with amazlet at 14.02.12 軽部 謙介 岩波書店 売り上げランキング: 382,02

  • 「ポピュリズムを考える―民主主義への再入門」吉田 徹 著 | Kousyoublog

    公開日: 2012/10/27 : 最終更新日:2014/02/03 カテゴリー:書評読書全般 タグ:思想, 政治, 現代史, 社会, 選挙 そのタイトル通り、現代に生起するポピュリズム現象をその原因、構造、特徴など様々な側面から分析した有用な一冊。先日紹介した『「日の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ」飯尾 潤 著』と合わせて読むと現代政治の問題点を理解する助けになるだろう。著者はこのの論点として以下の三つを挙げている。『一つは、無意味で安直なポピュリズム批判に再考を促すこと。もう一つは、現代におけるポピュリズム現象が不可避的なものであることを論証すること。そしてもう一つ、もし現代の「民主主義」が不可避的に「ポピュリズム」を内在させているのだとしたら、私たちはどう行動すればいいのか――このでは、「ポピュリズム」や「ポピュリスト」が何であり、どうして生じるのかを解明するとともに

  • 「都知事―権力と都政」より、石原都政三期十二年を振り返る | Kousyoublog

    公開日: 2011/04/09 : 最終更新日:2014/02/03 カテゴリー:政治・経済 タグ:政治, , 東京, 行政, 選挙 なんとか都知事選前までに読了できてよかった。行政学の専門家による東京都知事の強大な権限の内容、都の行政機構、歴代知事の歴史、財政、都議会、今後の課題や展望などを新書サイズで網羅した東京都を理解するために最適な一冊。二〇〇四年に東京に引っ越して来てからはや七年、自分が住む自治体についてわかっているようでぼんやりとしかわかっていなかったが、大まかに概要と要点を掴むことが出来たように思う。今回は同書から都知事とは何か、三期十二年の石原都政とは何だったのか、について要点をまとめておくことにしよう。■都知事の特徴都知事はなぜ強い権力を持つのか。同書では以下の点が挙げられている。1)全国有権者の一割に及ぶ一〇〇〇万有権者(平成二十三年三月時点で10,679,880人

  • Kousyoublog移転、リニューアルしました | Kousyoublog

    Kousyoublogを移転、リニューアルさせました。 旧URL http://kousyoublog.jp/ 新URL http://kousyou.cc/ 新RSS http://kousyou.cc/feed 直近のエントリについては内部リンク等若干の修正を行っていますが、多くは未修整なので旧URLへのリンクがされていたりしています。現状、公開済み記事は全体の六割程度の1400件弱です。画像についても同様に未修整で、旧ブログから呼び出している状態です。またソースの記述もかなりつぎはぎな状態と、とりあえずの公開ではありますが、追々修正していきます。旧ブログについては近日中に閉鎖の予定です。 2004年2月のJUGEMベータ版開始以来、10年にわたって使ってきましたが、ここ数年は利用上色々と限界を感じることが多くなってきていました。一つには自由度の低さ、もう一つはアクセス数の限界で

    ijustiH
    ijustiH 2014/01/29
    win7でchromeでみると左の半透明のツイートいいね+1Bマークが記事に重なって見づらいかも
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