きょうも傍聴席にいます。 重い障害ある長男を何年にもわたって、立ち上がることもできないほど狭い檻(おり)の中に閉じ込めた理由はなんだったのか。監禁罪に問われた父親の公判では、この点に注目が集まった。 6月19日、神戸地裁で最も大きい101号法廷は大勢の傍聴人で埋まった。電動車いすに座った障害者らの姿も多い。小柄な被告(73)は、体格に合わない大きめの灰色のスーツ姿。背中を丸めて証言台に立った。 検察官が読み上げた起訴状によると、被告は今年1月に病死した妻と共謀し、2013年4月から今年1月までの約4年9カ月間、自宅隣のプレハブ内に設けた南京錠つきの木製の檻で長男(42)を監禁し、母屋で生活させたのは2日に1回、約12時間ずつだけだった。内容について裁判官から問われると、落ち着いた声で「その通りです。間違いありません」と認めた。 事件の経緯を、冒頭陳述や被告の証言からたどる。 被告と妻は19