石破茂首相は4日、自民党派閥の裏金事件に関係したとして党から処分を受けた議員を次期衆院選で原則公認し、小選挙区と比例代表との重複立候補も認めるとの一部報道について「何も決まっていない」と述べた。 事件に関し、安倍派幹部から聞き取りを行うかを問われ、「必要であればしたい。現時点で何か決まっているところはない」と述べ、意欲を示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。【内田帆ノ佳】
自民党は21日、党総裁選(9月12日告示、27日投開票)のポスターとウェブ動画を発表した。キャッチフレーズとして「THE MATCH(ザ・マッチ)」を採用した。 ポスターは1955年の立党から今日までの歴代総裁の顔写真を配置。自民が日本政治をけん引してきた歴史と実績や、総裁選が日本のリーダーを選択する選挙である重みなどを表した。使用した写真は党に保存されている7万枚以上の写真から選び、画像の修正や、キャッチフレーズの考案は人工知能(AI)を活用した。 平井卓也広報本部長は「戦いであるマッチということと、日本の未来とマッチングする新しいリーダーは誰か、国民のニーズと自民党の政策をマッチさせるという意味もある」と話した。 ポスターは1万枚作製し、都道府県連などに配布する予定。ウェブ動画は党のホームページで公開している。【竹内望】
これも「法の抜け道」なのか――。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件に絡み、菅家(かんけ)一郎元副復興相が安倍派の「裏金」を原資に、自身が当時代表を務めていた党支部に寄付し、税控除を受けた疑いが浮上した。さらに、支部から菅家氏や後援会に資金が支出されていたことも判明。政治家が政党支部を「迂回(うかい)」して寄付し、利益を得る行為は過去にも批判を浴びたが、法規制が及んでいない。 「国民の政治参加推進」のはずが 個人が政党や政党支部などに寄付した場合、所得税が控除される仕組みは「政党等寄付金特別控除」制度と呼ばれ、租税特別措置法に基づき1995年1月に導入された。財務省によると、政党などへの個人献金を促し、国民の政治参加を推し進める目的があったという。 国会で問題になってきたのが、控除を受けられる条件だ。租税特別措置法では「寄付をした者に特別の利益が及ぶ」場合には優遇措置を受けられないと規定
軍事転用可能な装置を不正輸出したとして外為法違反に問われた化学機械製造会社「大川原化工機(おおかわらかこうき)」(横浜市)の社長らの起訴が取り消された問題で、警視庁公安部が有識者から聞き取った内容と異なる聴取報告書を作成した疑いがあることが、捜査に協力した大学教授ら4人への取材で判明した。毎日新聞が入手した報告書を確認してもらったところ、4人全員が「一方的に作られたものだ」と証言した。 この報告書は経済産業省に提出され、同社の装置が「輸出規制品に該当する」と判断される材料となった。経産省は当初、輸出規制品と認めることに消極的だったとされる。複数の捜査関係者は取材に「経産省を説得するには、有識者の『お墨付き』が必要だった」「有識者をだます形で報告書は作られた」などと話していて、有識者の証言と符合している。
自民党内で憲法改正を求める声が強まっている。岸田文雄首相が鳴り物入りで打ち出した所得税・住民税減税が不評だったことを受け、改憲姿勢を新たなアピールポイントにして次期衆院選に臨もうとの訴えだ。 「経済で駄目なら憲法改正で事態を打開するしかない」。自民若手は取材に対し、こう力説した。 政府が2日閣議決定した新たな経済対策は、1人当たり4万円の所得税・住民税減税が「露骨な選挙対策」などと不評で、報道各社が直後に実施した世論調査では内閣支持率が軒並み下落。共同通信の3~5日調査では前月比4ポイント下落の28・3%で過去最低を更新した。与党内には「もう打つ手はない」(公明党の閣僚経験者)といった動揺が広がり、「『投手交代』を求める声は強まるだろう」(自民中堅)と2024年9月の自民総裁選を見据えた「岸田降ろし」を予言する声まで出始めた。 こうした状況だからこそ、首相は改憲への「本気度」を示すべきだと
海外パビリオンの建設が遅れている2025年大阪・関西万博を巡り、別の問題が浮上している。前売り券の購入を割り当てられた経済界が二の足を踏んでいるのだ。「枚数が多すぎてさばききれない」といった悲鳴が漏れ、購入しても前売り券が塩漬けになる恐れもささやかれている。前売り券は万博の運営費を開幕前に確保する手段だ。いったい何が起きているのか。 1枚6000円、1社15万~20万枚 「アレの対処法、見つかりましたか」 「とんでもない。御社と状況は同じですよ」 こういったやり取りが23年夏、関西の主要企業で財界を担当する社員同士で交わされた。アレとは、関西経済連合会(関経連)へ副会長を輩出している16社に割り当てられた万博の前売り券購入のことだ。関経連は関西の経済界の取りまとめ役を担っており、関西に本社を置く企業やゆかりのある企業が中核を占める。 万博を開催する資金は会場建設費と運営費に大別される。前者
クラウドファンディングの開始から9時間半で、目標の1億円を突破した=2023年8月7日午後5時21分、大野友嘉子撮影 わずか9時間半で1億円達成――。光熱費高騰や物価高から資金難に陥り、国立科学博物館が7日午前8時に開始したクラウドファンディングは、午後5時20分に目標額の1億円が集まった。寄付は引き続き募っている。 博物館は7日午前に記者会見し、協力を呼びかけた。SNS(ネット交流サービス)などで注目され、クラウドファンディングのホームページにアクセスが集中し、一時つながりにくい状態となった。 博物館の公式X(ツイッター)には、「国が支援すべきだ」などと投稿が相次ぐ一方で、博物館ならではの返礼品に支援を申し出る声が相次いだ。
「全く考えていない『サラリーマン増税』うんぬんという報道があるが、どうなんだ」 岸田文雄首相は25日、自民党の宮沢洋一税制調査会長と首相官邸で会談した際、税制を巡る一部報道について不満をあらわにした。宮沢氏が会談後、記者団に明らかにした。マイナンバー問題などの影響で内閣支持率が下落している中で、さらに世論の反発を招きかねない報道に、いらだちを募らせているようだ。 宮沢氏によると、首相が指摘したのは、6月30日に政府税制調査会(首相の諮問機関)が提出した答申について。答申では個人所得課税の項目で非課税となる手当について「妥当であるか、必要性も踏まえつつ注意深く検討する必要がある」と明記。現在は非課税である通勤手当などを列挙したことで、一部メディアなどが「サラリーマン増税になるのではないか」と報じていた。
文化庁は、各都道府県の担当者を集めて「不活動宗教法人」への対策を促した=東京都千代田区で2023年4月26日、国本愛撮影 節税の一つとして宗教法人を取得することをお考えください――。本来、営利を目的としないはずの宗教法人が、インターネット上では「税制優遇」をうたい文句に、公然と売り買いされている。脱法的な売買が横行してしまう背景には、宗教法人に行政の目が行き届いていない実態がある。 ネット上では、宗教法人の売買を呼びかける仲介サイトがいくつもある。「歴史あるお寺(宗教法人)譲ります」。個人間で不用品を売買できる情報サイトには1億2000万円で中部と関西地方にある二つの寺が売りに出されていた。 「立派な本堂あり」「大きな土地有り」との説明書きもあった。出品者は「お寺の経営改善などのコンサルを行っています」とするが、取材を依頼すると「応じかねる」と拒否した。 宗教法人は、境内には固定資産税が課
岸田文雄首相が模索しているウクライナの首都キーウ(キエフ)訪問案に、関係省庁が身構えている。ロシアの侵攻を受けているウクライナに政府要人を派遣していないのは主要7カ国(G7)では日本のみ。首相は5月に広島で開かれるG7首脳会議(サミット)までに訪問し、G7議長国としてウクライナと連帯する姿勢をアピールしたい考えだが、日本の首相が戦後、危険の伴う「戦地」に赴いた例はなく、安全確保などさまざまな課題があるためだ。 「(ウクライナの)ゼレンスキー大統領との間では緊密に意思疎通を行っている。現時点で何ら決まっていないが、諸般の事情、状況も踏まえ検討していく」。首相は1月25日の衆院本会議でウクライナ訪問について問われ、そう答えた。首相は1月6日、ゼレンスキー氏との電話協議で訪問を要請された直後にも「諸般の事情も踏まえ検討していきたい」と記者団に語っており、政府関係者は「訪問に向けた首相の意思は固い
共産党員でジャーナリスト・編集者の松竹伸幸氏が党員の直接投票で党首を選ぶ「党首公選制」を求めている問題について、志位和夫委員長は23日、党機関紙の「しんぶん赤旗」が「規約と綱領からの逸脱は明らか」などとする論説を掲載したことを挙げ「赤旗の論説に尽きる。的確な内容だ」と述べた。一方で、松竹氏への直接の反論や処分などへの言及は避けた。国会内で記者団に答えた。 しんぶん赤旗の論説は、21日に藤田健・赤旗編集局次長名義で掲載された。松竹氏が記者会見や著書で党首公選制を求めたことを問題視し「異論があれば党内で意見をのべるということを一切しないまま、『公開されていない、透明でない』などと外からいきなり攻撃することは、『党の内部問題は、党内で解決する』という党の規約を踏み破るもの」などと批判。党首公選制については「派閥・分派をつくることを奨励することになる」と…
自動販売機の隣に設置されたリサイクルボックス。レジ袋で一部の投入口がふさがれ、周囲にはペットボトルや空き缶が散乱していた=東京都千代田区で2022年9月17日午後1時23分、鈴木理之撮影 清涼飲料の自動販売機隣の箱に飲料容器以外のごみを放り込んだことはないだろうか。自販機併設の箱は、使用済みペットボトルなどを回収し再資源化するための「リサイクルボックス」。ところが、箱の目的が周知されず、容器のリサイクルにも影響が出ている。 「ペットボトルや缶以外のごみが多く捨てられ、リサイクルボックスの周りにごみが山積みになっていることもある。ごみ捨て場と思われているならやるせない」。東京都豊島区で1月初旬、大手飲料メーカーの自販機にペットボトルの補充をしていた男性作業員は嘆いた。 清涼飲料メーカーでつくる「全国清涼飲料連合会(全清飲)」によると、国内に設置される清涼飲料用の自販機は約200万台に上り、原
楽天モバイル社員による46億円着服疑惑の影響で、下請け企業が経営危機に陥っている。楽天がその社員と関係の深かった取引先との契約を解除したため、そこに連なっていた下請けの資金繰りが連鎖的に悪化しているのだ。発注元の不正が、立場の弱い下請けにしわ寄せされた格好だ。 楽天モバイルが、不正に関わった社員の解雇を発表したのは2022年9月2日のことだった。関係者などによると、この社員は取引先である物流会社「日本ロジステック」(東京都千代田区)と「TRAIL」(港区)の2社の役員らと共謀し、コンサルティング料などの名目で楽天モバイルに水増し請求していたとされる。損害は46億円に上るとみられる。不正発覚を受け、楽天は2社との取引を停止した上で裁判所に預金口座の仮差し押さえを申請し、認められた。 「楽天モバイルから契約を解除された」「明日からは仕事は休みになります」
自民党の甘利明前幹事長(麻生派)が会長の安倍晋三元首相を銃撃で失った安倍派(清和会、97人)について「誰一人、力もカリスマ性もない」などと指摘したことについて、安倍派が強く反発している。8月5日実施予定の安倍氏に対する追悼演説を、甘利氏が行うよう党が調整していることにも異論が出ている。 甘利氏は20日、自身のメールマガジンで、安倍派について「『当面』というより『当分』集団指導制をとらざるを得ない。誰一人、現状では全体を仕切るだけの力もカリスマ性もない」と述べた。そのうえで「今後、どう化けていくのかが注視される」と指摘した。 これに対し、安倍派最高顧問の衛藤征士郎・元衆院副議長は21日の安倍派会合で「こんなに侮辱されたことはない。これを黙っていたら、清和会はそうだと思われる」と激しく反発。数人の派閥議員を指さしながら「うちには多士済々の総裁候補がいるだろう」と述べた。
米国の核兵器を国内に配備し、日米共同で運用する「核共有」政策の導入について、安倍晋三元首相が27日のテレビ番組で「議論すべきだ」と発言したことに対し、広島の被爆者らから「非常に危険」と猛反発の声が上がった。 「あきれた。被爆者で国会議事堂を取り囲んで、『発言を取り消せ』と訴えたい」。広島県原爆被害者団体協議会の箕牧(みまき)智之理事長(79)は強く非難するとともに、「核も戦争もない日本を76年間守ってきたけれど、政治が危険な方向に進んでいる気がする。死んでも死にきれんで」と日本の先行きへの不安も口にした。 毎年8月6日の平和記念式典の後に開かれる「被爆者代表から要望を聞く会」で、首相だった安倍氏と顔を合わせてきたもう一つの広島県原爆被害者団体協議会の佐久間邦彦理事長(77)は「原爆の日にはいつも『非核三原則を堅持する』と述べていたが、彼の本音が出たと感じた。日本は戦争被爆国として核廃絶をリ
安倍晋三元首相(67)の後援会が主催した「桜を見る会」の前夜祭を巡り、東京地検特捜部は28日、公職選挙法(寄付の禁止)違反容疑などで不起訴となり、検察審査会から「不起訴不当」の議決を受けた安倍元首相を再び不起訴処分とした。再捜査で前夜祭の参加者を幅広く事情聴取したものの、提供された食事が、会費を上回って寄…
倉庫に保管されている、国が用意した大量の布マスク=東京近郊で2021年12月1日午後2時33分、大西岳彦撮影 新型コロナウイルス対策で政府が調達した「アベノマスク」を含む8000万枚余の布マスクが使われずに大量に備蓄されている問題で、厚生労働省は1日、毎日新聞などの取材に応じ、マスクが保管されている倉庫を公開した。約5200平方メートルの区画内に、マスクの入った約10万箱の段ボールが、最高で約5メートルの高さに積み上げられていた。 厚労省が保管先として契約するのは東京近郊の倉庫。保管場所は1フロアの半分を占める。段ボールに梱包(こんぽう)されたマスクはパレット(保管・運搬用の台)に載せられ、隙間(すきま)なく整然と3段に積み上げられていた。段ボールが潰れるのを防ぐため、パレットは金属製ラックで囲われていた。今年3月まで保管されていた佐川急便の倉庫から現在の場所に移動させるのに約2カ月を要し
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く