意識があるからこそつらい 前記事(「できれば避けたい「激痛」の死に方」gendai.ismedia.jp/articles/-/50216) で見た脳卒中や心筋梗塞の場合、激痛を伴って死は突然訪れる。家族や友人に暇を告げる間もなく死んでしまうのは、心残りも多いだろうが、苦しむ時間はあくまで短時間。家族や周囲に負担をかけることもないので、気が重くはない逝き方かもしれない。 だが、脳卒中から生還したものの、重篤な麻痺が残り、半身の自由が利かないまま緩慢な死を迎えるケースもある。 「夫は72歳で脳出血で倒れました。一命は取り留めたものの、体を動かすことができず、寝たきりになってしまいました。目だけは動くものの、食事はできず、水も飲めない。以後2年間、要介護5の状態です。 栄養はお腹に作った胃瘻を通して摂っています。口から食べるリハビリなどもしましたが、回復しません。それでも意識は、はっきりしてい