現在、年末の進行による深い疲労状態で、これを書いている。疲労しているのは今に始まったことではなく慢性的なものでもあるので、どうにかできるかと思い手に取った1冊である。 本書の内容は、テレビ等でもよく扱われるようだが、私は最近ほとんど地上波のテレビを観ていないので、著者の説に触れるのは本書が初めてだった。まずは目次に沿って概要を示す。 概要 はじめに 疲労を科学することとは 疲労とは“エネルギーの枯渇”と考えられがちだが、それは多くの場合あてはまらない。がん細胞による悪質液、風邪におけるインターフェロン分泌といった原因もあるが、大半の疲労の原因は細胞のサビ――酸化ストレスである。そして、長時間の運動によって最も酸化ストレスが大きい身体の部位は、脳の自律神経中枢なのである。本書ではこの脳疲労のメカニズムと解消法を論じる。 第一章 疲労の原因は脳にあり 疲労とは、医学的には痛みや発熱と並ぶ人間の