去年の夏は、「息子達の夏休みに合わせる形で仕事の調整を済ませていたこともあって、私自身も心に若干の余裕を持って夏を楽しむことができた」なんて涼しい顔で書いていたようだ。今年の夏休みは、去年とは打って変わって、琵琶湖で優雅に息子たちを泳がせるなんてことは一切できていない。息子たちの夏休みの宿題を見てあげることもままならない状態だ。夏休み? バケーション? 一体なんのことでしょうか? この夏の私は、ただひたすら、家事の分担で揉めるアメリカ人夫婦の葛藤の日々について訳し、国家の安全を脅かす下痢について調べ、人間をやめてヤギになろうと奮闘した男の物語を推敲している。子どもたちに声をかけられても、右から左に流れていってしまう。申し訳ないとは思いつつ、あまり手の込んだ食事も作ってあげることができていない。心にも時間にも余裕がない。ふと気づけば、子どもたちの夏休みも折り返し地点を過ぎた。どうしたらいいの
![きざみ葱メガ盛りの乱 | 村井さんちの生活 | 村井理子 | 連載 | 考える人 | 新潮社](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/4ac643e5882075c4a825e282705015fcc2be94c2/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fkangaeruhito.jp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2020%2F04%2Ficon_muraisan-compressor.jpg)