東京周辺のエスニックな肉料理を食い尽くすこの連載「東京エス肉めぐり」第四回は新宿初台にあるウイグル料理レストラン「シルクロード・タリム」のラム肉だ。 ウイグルは現在では中国の西域にある新疆ウイグル自治区として知られているが、古代から中央アジアに暮らしてきたテュルク系の遊牧民族。イスラーム教を信奉し、新疆ウイグル自治区のほか、カザフスタンやウズベキスタン、キルギスなどに居住するシルクロードの民である。 シルクロードと聞くと目を輝かせる日本人は多い。特に団塊の世代。中国西域を舞台にした1960年代のベストセラー小説、井上靖の『敦煌』や1980年代に放映されたNHKスペシャル『シルクロード』のおかげだろう。しかし、そのシルクロードの民が何を食べているかは意外なほど知られていない。 ウイグルの料理と言えば、何はなくともまずラム肉。そして、ラグメンと呼ばれる世界最古の手打ち麺が有名だ。「シルクロード