著者: 風音 「どこにでも行ける子になるように」という願いから「風」の字を名前に貰った。 いつもここじゃないどこかに行きたかった。旅先で、知らない街で暮らす、今の私と違う人生を想像する。自分の部屋に帰ってきては、そのまま布団に倒れ込み、見慣れた天井を見あげながら「いつまでここにいるんだろう」とぼんやりした。 卒業旅行で訪れたジョージアのトビリシ。いつかまた行きたい街 1カ月以上先の予定を立てるのが怖かった。カレンダーを埋めてしまったら、いきなりいなくなることができなくなってしまう。友人には、「ふうちゃんは綿毛みたいにすぐどっか行っちゃうから、会える距離にいるうちに会いにいかないと」とよく言われた。 私の現在の住まいは、長野県長野市。2020年の秋、身軽になるために、いろんなものを手放してやって来たはずなのに、もう2年もこの街で暮らしている。居場所ができて、友だちができて、いつの間にか手に職
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