先日、「はだしのゲン」の作者である中沢啓治先生が肺がんにより逝去されたという報は記憶に新しい。 「ゲン」を幼少時より慣れ親しんだ私にとって、この報はショックこの上ない事と共に、改めて「はだしのゲン」と中沢先生の偉大さを噛み締めるものである。 「ゲン」は本当に不幸な漫画であると思う。評論家の呉智英氏が、こう言っている。 ”「はだしのゲン」は二種類の政治屋たちによって誤解されてきた不幸な傑作だ。二種類の政治屋とは、「はだしのゲン」は反戦反核を訴えた良いマンガだと主張する政治屋と、反戦反核を訴えた悪いマンガだと主張する政治屋である。” 近年では、ほうぼうで「ゲン」の評価は後者の方ばかりが独り歩きしている。やれ作中に日本軍の三光作戦(支那戦争中)の捏造があるとか、天皇(昭和)の戦争責任を糾弾するシーンがあるとか、そして朝鮮人の強制連行(徴用工に関して)のこれまた酷い事実誤認と捏造があるとかいった風