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ブックマーク / srad.jp/~phason (10)

  • 有機カチオンは,有機-無機ペロブスカイト太陽電池の効率上昇に寄与している | phasonの日記 | スラド

    "Revealing the role of orgfanic cations in hybrid halide perovskite CH3NH3PbI3" C. Motta, F. El-Mellouhi, S. Kais, N. Tabet, F. Alharbi and S. Sanvito, Nature Commun., 6, 7026 (2015). 近年,太陽電池の分野において有機-無機ペロブスカイトと呼ばれる物質が注目されている.最も単純な組成ではAMX3となるこの物質は,鉛やスズなどの金属イオン(M)を6つのハロゲンイオン(X)が取り囲み八面体を形成し,それが頂点共有して無数につながることで3次元構造をつくり,有機物の正イオン(A+)が連なった八面体の隙間を埋めるような構造をとっている. なぜこの物質が注目されているのかといえば,太陽光の電力への変換効率が高く,しかも製

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    imo758 2015/05/04
  • 溶けたアルカリ金属を水に入れると爆発するのは何故か? | phasonの日記 | スラド

    "Coulomb explosion during the early stages of the reaction of alkali metals with water" P. E. Mason F. Uhlig, V. VanĚk, T. Buttersack, S. Bauerecker and P. Jungwirth, Nature Chem., 7, 250-254 (2015). 金属ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属類は非常にイオン化しやすいため水とは激しく反応し,その融解した液滴を水に落とせば爆発する.これは水に触れたアルカリ金属が一瞬で反応し急激に発熱,それと同時に発生した水素が引火し,これらの合わさった熱によって一気に爆発するためである.これはよく知られた事実であり,教科書にも載っているような非常に基的な知識だ. ……だが,当にこれは正しいのだろうか? 今回

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    imo758 2015/03/17
  • 地球の核の対流を引き起こす,電子-電子相関 | phasonの日記 | スラド

    "Effect of electron correlations on transport properties of iron at Earth's core conditions" P. Zhang, R. E. Cohen and K. Haule, Nature, 517, 605-607 (2015). 地球は比較的強い磁場をもつ惑星であるが,この磁場は核において起こっている対流によって生じていると考えられている.この対流を生み出す大きな原動力として想定されているのは熱である. 地球が出来る時には多くの物質が重力で寄り集まるため,膨大な重力による位置エネルギーが解放され熱となった.地球の核ではこのエネルギーが現在でも多量にため込まれており,高温を維持している(その外側のマントルなどの部分では放射性元素の崩壊熱も加わる).この結果,地球の核の外層である外核(溶融しておりある程度の流

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    imo758 2015/01/29
  • 空孔欠陥の導入はグラフェンを堅くする | phasonの日記 | スラド

    "Increasing the elastic modulus of graphene by controlled defect creation" G. López-Polín et al., Nature Phys.,in press (2015). ナノテクノロジーの発展と共にナノサイズの物体の様々な物性に関する研究が進み,ナノサイズの物体は単に元の物体が小さくなったというだけのものではなく,様々な異なる現象を生じることが明らかとなってきている.まさに,ナノサイエンスの世界で言われているように「Small is different」(小さくなると,全く異なることが起こる)なのである. そんなナノ物性の一つに,弾性率がある.弾性率はバルクな(=巨視的な)物体でも馴染み深い物性であるが,ナノサイズの物体ではその形状や欠陥の存在により値が大きく異なってくることがある.一般的には欠陥が存在す

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    imo758 2014/12/27
  • 腸上皮でのフコシル化が罹患中の腸内細菌環境を維持する | phasonの日記 | スラド

    "Rapid fucosylation of intestinal epithelium sustains host-commensal symbiosis in sickness" J. M. Pickard et al., Nature, 514, 638-641 (2014). 腸というのはいわば"外部"に露出した内臓であり,さまざまな外界由来の物質に接触している.このため各種感染の起点となる可能性が非常に高くなり,腸からの感染をいかに防ぐかというのは生体にとって非常に重要な課題である.例えば人間の免疫細胞の過半数は腸に存在しており,また腸を起点とした免疫系の多彩な制御なども明らかとなりつつある. 腸からの感染が危険である一方,腸が"外界"に接する器官である以上,そこを無菌状態に保つのは現実的ではない.そこで生物は,腸内に(その生物にとって)無害な細菌群を生息させ,危険な細菌類の繁殖

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    imo758 2014/10/31
  • ダークマターは巨大なボース・アインシュタイン凝縮体か? | phasonの日記 | スラド

    "Cosmic structure as the quantum interference of a coherent dark wave" H.-Y. Schive, T. Chiueh and T. Broadhurst, Nature Phys., in press (2014). 我々の宇宙に存在する物質のうち,目に見えるような通常の物質は全体量のわずか1/6以下でしかなく,大部分は目に見えない「何か」であることがほぼ確実となっている.この「光らず,直接見えない何か」はダークマターと名付けられ,その正体の解明が今も精力的に行われている.最も一般的なモデルでは,この「何か」は「重力以外ではほとんど相互作用を行わず,運動エネルギーが小さい(=冷たい)粒子」であると想定されており,「冷たい暗黒物質」(CDM:Cold Dark Matter)と呼ばれている.このCDMを用いたモデルは宇宙

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    imo758 2014/06/26
    ド・ブロイ波長が3000光年の超巨大粒子(ただし逆に1個はとんでもなく軽くなる)説……、まあ確かに可能性は十分ありそうだけど……検証方法少なそうだなあ。
  • 記憶と睡眠の関係:その一端が明らかに | phasonの日記 | スラド

    "Sleep promotes branch-specific formation of dendritic spines after learning" G. Yang et al., Science, 344, 1173-1178 (2014). 何か物事を学習した後に睡眠をとると記憶として良く定着する,という事が言われている.確かにそのような傾向があることはわかっているのだが,そのメカニズムに関しての詳細は未だに判明していない. 一つの説として「眠っている間に余計な記憶が削除・整理され,必要な記憶が残る」というものがあり,それを支持する研究結果も数多く報告されている.ところで,睡眠というのは余計な記憶を刈り込むだけなのだろうか?睡眠そのものが神経の発達を促し,記憶を増強する働きをしているという事はあり得ないのだろうか? このような疑問が出てくる一つの大きな理由は,成長時の脳の発達にあ

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    imo758 2014/06/09
  • ウェハーサイズの単結晶グラフェン作成法 | phasonの日記 | スラド

    "Wafer-Scale Growth of Single-Crystal Monolayer Graphene on Reusable Hydrogen-Terminated Germanium" J.-H. Lee et al., Science, in press (2014). 現在の計算機を支えているのは間違いなくSiベースの技術である.それらSiを元に作られる電子素子が高い性能を発揮できる理由のひとつとして,非常に純度が高くしかも原子レベルで平坦な単結晶ウェハーを作成できる点が挙げられる.この均一なウェハーを出発物質とすることで,均質で特性の揃った素子の生産が可能となっている.ところが近年になり,そんなSiベースの半導体素子にもいよいよ物理的な限界が近づいてきたため,よりすぐれた素材の探求が各地で進められている. そんな注目されている素材の一つが単層グラファイトであるグラフェン

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    imo758 2014/04/08
  • Ca2Nは二次元の電子層を保つ電子化物である | phasonの日記 | スラド

    "Dicalcium nitride as a two-dimensional electride with an anionic electron layer" K. Lee, S.W. Kim, Y. Toda, S. Matsuishi and H. Hosono, Nature, 494, 336-340 (2013). 「セメントで奇跡を起こす男」(鉄系超伝導も開発しているけど),東工大の細野先生のところの新作. 以前にも紹介したが,「電子化物」と呼ばれる物質がある.これは剥き出しの「電子」そのものが陰イオンとして取り込まれている固体である.例えば細野先生が以前に発見したセメント系の電子化物は,酸化カルシウム&酸化アルミニウムで出来た籠状構造の中心に電子がぽつんとトラップされたような構造をしており,この籠状構造が緩く繋がる(=電子が隣の籠に移動できる)事で金属伝導やら超伝導やらを

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    imo758 2013/02/28
  • 惑星は太陽活動の変化を引き起こすのか? | phasonの日記 | スラド

    Natureの紹介記事 "The planetary hypothesis revived" 経由. "Is there a planetary influence on solar activity?" J.A. Abreu, J. Beer, A. Ferriz-Mas, K.G. McCracken and F. Steinhilber, Astron. Astrophys., 548, A88 (2012). 太陽活動に周期があることが発見されたのは,19世紀半ばのことである.当時,太陽の近くにある(と考えられた)未発見の惑星バルカンを探索していたハインリッヒ・シュワーベは,惑星(こちらも太陽上に黒い点として見える)と見分けるために太陽黒点の様子もつぶさに記録していた.惑星は見つからなかったものの,彼は太陽黒点の数がおよそ10年を周期に増減を繰り返すと言うことを見出した(実際には約

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    imo758 2013/01/31
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