「当事者性」の欠如という日本のメディア空間に広がる問題点の構造を解き明かすことに挑んだ意欲作「『当事者』の時代」。本書の筆者であり、ITジャーナリストとして積極的な情報発信を続けている佐々木俊尚氏に、日本のメディアの抱える問題点とその未来予想図を聞いた【取材・執筆:永田 正行(BLOGOS編集部)】 日本に広がる「マイノリティ憑依」という”病理” ―最初に、ITジャーナリストである佐々木さんが、「『当事者』の時代」という日本のメディアの問題点を論じる書籍を執筆された動機を教えてください 佐々木俊尚氏(以下、佐々木氏):これは僕が、ITジャーナリストとして活動している理由にも関わっています。そもそも僕は、文系の大学を出て、その後は事件畑を歩いてきた新聞記者ですから、もともとテクノロジーの専門家でもなんでもない。 しかし、僕は「テクノロジー」とは、単なるツール、手先の技術ではなく、社会の構造を