生産設備を単体で製造・販売するのではなく、生産ラインを丸ごと請け負う。顧客はトヨタ自動車から韓国サムスン電子まで、世界の製造業のトップ企業ばかり。業績も株価も急上昇中。知られざる実力企業の強さの秘密に迫る。 熊本市の北部に、世界の名だたるメーカーが頼る“駆け込み寺”がある。1951年に設立され、2006年に東証ジャスダック証券取引所に上場した生産設備メーカー、平田機工。 同社の名前は一般にはほとんど知られていないが、大手メーカーの生産部門の間では有名だ。取引先リストには、国内はトヨタ自動車や日立製作所、クボタ、キヤノンなど、海外では米ゼネラル・モーターズ(GM)や英ダイソン、独コンチネンタル、韓国サムスン電子などそうそうたる顔ぶれが並ぶ。 会社設立当初の事業は、リアカーやコンベヤーなどの産業用機器の製造だった。1960~70年代に家電生産向けのコンベヤー、80年代にロボットや自動機を組み込