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2021年3月15日のブックマーク (1件)

  • 『塚本邦雄監修 現代詩コレクション』 - k-bijutukanのブログ

    『塚邦雄監修 現代詩コレクション』書肆季節社1990年、直球、変化球、くせ玉、豪速球、いろいろな詩が ないまぜに。へえ〜と感心したり、わからねえなあ、と天を仰いだり、これはいいなあ、とうれしくなったり。 塚邦雄の渉猟の広さにあらためて驚く。深刻難解な詩はちょっと敬遠。 《 高野喜久雄「せめて」 せめて 最後の思いやりに 人と枯葉とを混ぜようと 神様は 風を吹かせたのでした だのに 人は少しも枯葉を間違えることなく 枯葉は枯葉でいつ迄も荒涼としている 竹中郁「足どり」 見知らぬ人の 会釈をうけて こちらも丁重に会釈をかえした 二人のあいだを ここちよい風がふいた 二人は正反対の方角へあるいていった 地球を一廻りして また出会うつもりの足どりだった 扶川茂「再会」 とある夜の海峡で 地球の裏側から それそれ航行してきた 二隻の貨物船が接触した あとにのこった非常に焦げくさい臭いが 目覚めた

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