タグ

ブックマーク / hugo-sb.way-nifty.com (6)

  • Hugo Strikes Back!: 金子光晴×稲垣足穂×田中小実昌 鼎談 その1

    金子光晴の「下駄ばき対談」という金子光晴の対談集があって、野坂昭如やら寺山修司、深沢七郎らそうそうたるメンバーと対談してるのだけれど、中でも稲垣足穂と(何故か)田中小実昌との鼎談がもう無茶苦茶で滅法面白い。 少し長いけれど、これから何回かの小分けにして紹介していきたいと思います。 鼎談 A感覚・V感覚 田中「ゆうべね、みんなで、先斗町のお茶屋さんに行きました。」 稲垣「いいとこでんな、うん。」 田中「ほんと。いいとこです。ええ。もうはじめて行きました。そしたら、そのうちの飼ってる犬が、ぼくの足をかじるんだ。血が出たよ(半ズボンから出たすねを見せる)。やっぱり、うさんくさい人間なのかな、ぼくは。」 稲垣「厄除けでいいじゃないの。きれいな脚だねぇ(笑い。やや声を大きくして金子さんに)。はじめてお目にかかったのはいつごろだったでしょうか……。」 金子「大宗寺の横の竹田屋にいたころだから。昭和八、

  • Hugo Strikes Back!: 金子光晴×稲垣足穂×田中小実昌 鼎談 その2

    前回の続きです。前回は悪口メインでしたが、今回はエロトークが中心。相変わらず足穂がトバしてます。鼎談 A感覚・V感覚 稲垣夫人「二十二日からお酒飲んで待ってたんですよ、この人。飲んで飲んで飲みつづけていれば、調子が出るんだって。それが八日目ぐらいでダウンですわ。」 稲垣「(夫人の話を突然さえぎって)作家作家といばっているけれど、今東光の作品に何がありますかッ。ニワトリの喧嘩の話一つだけ。ひどい作家もあったものだ。」 稲垣夫人「(稲垣さんの浴衣を見ながら)このごろ、ハダカで暮らしてるんですよ。」 田中「ぼくもうちではハダカです。パンツははいてますけどね。ああ、いくらか回ってきた。(とウイスキーのグラスを上げて)ゆっくりいきましょう。話が出なくって、困るのは向こうだから(と記者を見て)こっちはどうってことない(笑)。ウイスキーをいただきます。ヘッヘッヘッ。先生はもうからだのほうは?」 稲垣「大

  • Hugo Strikes Back!: 金子光晴×稲垣足穂×田中小実昌 鼎談 その3

    前々回、前回の続きです。 今回は何故かお化けのお話に・・・・・・ 鼎談 A感覚・V感覚 「ぼくは、一人で寝るのはこわいよ。今でも」という金子さんの一言をきっかけに、話は何となくお化け話にすべりこんだ。 稲垣さん、にやりと笑って、膝をのり出した。 稲垣「陸奥の国の人で、京都で永年奉公を勤め、主家の娘をもろうた人がいたんだ。で、いっぺん里帰りをするということになって、国へ帰ったんだがね。帰りが長びいた。ところへ奥さんが迎えにきたわけですよ。まあ、その晩は、久しぶりだてんで、語り明かし、ウトウトっとして、あくる朝、その男が表で顔を洗っていたところ、都から飛脚が来た。で、奥さんが急病で亡くなったという知らせである。冗談いうな、人は奥で寝てるじゃないかといってね、寝間へ案内してみたら夜具がペシャンコになっている。びっくりして、ぱっとめくってみたら、卒塔婆が入っててね、まん中からちょっと下方

  • Hugo Strikes Back!: 金子光晴×稲垣足穂×田中小実昌 鼎談 その4

    ちょっと間が空きましたけど続きです。 以前の回はこちら。 金子光晴×稲垣足穂×田中小実昌 鼎談 その1 金子光晴×稲垣足穂×田中小実昌 鼎談 その2 金子光晴×稲垣足穂×田中小実昌 鼎談 その3鼎談 A感覚・V感覚 金子「だけど、ほんとうにお化け見た人はあんまりいないでしょう。」 稲垣「話には聞くが、信用できませんね。」 稲垣夫人「しょっちゅうお化け見てるんですよ(と稲垣さんを見て)アルコールの幻覚で。」 田中「いっぱい見えますか?」 稲垣「ええ。」 田中「”ピンク・エレファント”という言葉がありますね。桃色の象が見えるそうですね、お酒飲む人に聞くと。どんなもんなんでしょうかねえ?」 稲垣「ぼくの場合はピンクじゃないしに、灰色というか、ブラックというか、何ともいえない嫌な陰気な色です。そんなものがずーっと左から右へ流れていくんです。」 記者の一人が ー ぼくの友だちで彫金やってるのがいるん

  • Hugo Strikes Back!: 金子光晴×稲垣足穂×田中小実昌 鼎談 その5

    ようやく今回で最終回です。 以前の回はこちら。 金子光晴×稲垣足穂×田中小実昌 鼎談 その1 金子光晴×稲垣足穂×田中小実昌 鼎談 その2 金子光晴×稲垣足穂×田中小実昌 鼎談 その3 金子光晴×稲垣足穂×田中小実昌 鼎談 その4鼎談 A感覚・V感覚 田中「(突然)飛行機はどうです。昔、あたしゃ飛行機を見るのがうれしくてねぇ。こういう気持ち、今の人にゃわからないかねぇ。」 稲垣「今の飛行機は”空中バス”やからな。」 田中「今の飛行機は浮いてるのが不思議な感じがしますよ。あんなでかい金属製の塊がよく浮いたなって感じ。何だか気持ちが悪いネ。」 金子「われわれ、若いときは飛行機てえのは落ちるもの、と思い込んでたね。ブルッセルで陸軍の飛行機乗りと知り合って、宙返りをやるから一緒に乗らないかっていわれたんだ。その将校すぐ死んじゃったもの、落っこって。」 稲垣「みんな落ちてたもの。(といって嬉しそうに

  • Hugo Strikes Back!: SF作家オモロ大放談

    70年代の日SF作家の座談集が出てきて、皆、仲良さげで微笑ましいのだが、言ってる内容は滅茶苦茶で今だとちょっと問題になりそうなコトでも平気で喋ってて面白い。 ウチのブログ向けの話題として、小松左京、星新一、筒井康隆の3人がカニバリズムについて話してる部分を抜き書き。物としての人間の自己完結性 筒井 まあ、最近世界各地でたくさん飢えて死んでますね。あれ、ひとまとめにして埋めときゃ石油になるのかな(笑)。 小松 そんなに早く石油になるもんか(笑)。まったくもう、血も涙もないな(笑)。 筒井 ともかくね、人間が死んでそのままというのがもったいないんですよ。死にかけてるのを日へつれてくればね、古々米はいっぱいあるし、残りものでもなんでもわせてやれば大きな労働力に(笑)。 小松 ひどいことを(笑)。ヒューマニズムのかけもらないな(笑)。 星  しかし、人たちにしてみれば、飢え死にするよ

    inmymemory
    inmymemory 2007/11/11
    小松左京、星新一、筒井康隆の3人がカニバリズムについて
  • 1