業の花びら 詩群 1.対象作品 『春と修羅 第二集』 (草稿的紙葉群) 313 産業組合青年会 1924.10.5(定稿手入れ) 314 〔夜の湿気と風がさびしくいりまじり〕 1924.10.5(定稿) 「文語詩未定稿」 水部の線 2.賢治の状況 かつて吉本隆明氏は、「三一四 〔夜の湿気と風がさびしくいりまじり〕(旧題「業の花びら」)」を評して、「且つてこのやうな詩を作った人もなく、又このやうなすさまじい諦念を体認した人もありません。彼の苦悩には近代的なニヒリズムの浅薄さと安価さがありません」と述べました。 ほんとうにこの詩は、「四一一 未来圏からの影」などとともに、『春と修羅 第二集』の世界における、極北を感じさせる作品です。 「三一三 産業組合青年会」と、この「〔夜の湿気と風がさびしくいりまじり〕」は、最終形態を見るかぎりでは、一見なんの関連もない作品のように思われます。 しかしたとえ
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