オーストラリア・クイーンズランド大学(University of Queensland)が提供した小型有袋類「キアシアンテキヌス(Antechinus Flavipes)」の写真(2013年10月8日提供)。(c)AFP/CHRIS DICKMAN 【10月9日 AFP】一部の有袋類の雄にとって交尾は非常にストレスが多い死に物狂いの行為なので、文字通り「死」に至ってしまうとの研究結果が米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に掲載された。雌が相手を選ばずに不特定多数と交尾しようとすることが、この「自殺的」行為を後押ししているのだという。 食虫有袋類の一部の種が、なぜ交尾の後に死んでしまうのかという疑問は、数十年にわたり科学者らの頭を悩ませてきた。これまでに唱えられた説では、「けんかが原因」や「子孫に食べ
米国メーン州沖で採れた海藻類。(PHOTOGRAPH BY REBECCA HALE, NAT GEO IMAGE COLLECTION) アマゾンの森林火災が続くなか、二酸化炭素を吸収してくれる森づくりへの関心が高まっている。しかも、その「森」は焼失することがない。なぜなら、水中にあるからだ。(参考記事:「未曽有のアマゾン森林火災、動物への影響は」) 炭素の吸収源として重要な熱帯雨林が森林伐採による大打撃を受けている今、気候変動対策として、海藻に注目した研究が増えている。昆布の仲間のような大型の藻類からなる「海のジャングル」は、成長が速く、非常に効率よく炭素を貯蔵できる。また、海藻は酸性化や脱酸素化など、地球温暖化が海に与える影響を緩和することにより、海の生物多様性や、人々の食料をも守ることができる。(参考記事:「温暖化で「窒息」する海が世界的に拡大、深海でも」) 「ようやく海藻にスポッ
ブラジル、ロンドニア州ポルトベーリョ近くのアマゾンの航空写真。2019年8月21日に撮影。(PHOTOGRAPH BY UESLEI MARCELINO/REUTERS) アマゾンで猛威を振るう森林火災のニュースが先週から世界中を駆け巡っている。だが、アマゾンの熱帯雨林の重要性を伝える際に、誤解を招く主張が何度も繰り返された。それは、地球の酸素の20%をアマゾンが生み出しているというものだ。 この主張は米CNN、米ABCニュース、英スカイニュースなどの報道で取り上げられたほか、フランスのマクロン大統領や、米上院議員で2020年の大統領選に出馬表明しているカマラ・ハリス氏、俳優で環境保護活動家でもあるレオナルド・ディカプリオ氏など、政治家や著名人のSNSでも散見された。また、アマゾンの森林は「地球の肺」という表現も、同じようによく使われている。 アマゾンの火災によって世界の酸素供給が危機にさ
NASAがとらえたアマゾンの森林火災による煙の衛星画像(Photograph by NASA Earth Observatory, Lauren Dauphin, using MODIS data from NASA EOSDIS/LANCE and GIBS/Worldview and VIIRS data from NASA EOSDIS/LANCE and GIBS/Worldview, and the Suomi National Polar-orbiting Partnership) 南米アマゾンの熱帯雨林で起きている大規模な森林火災は、非常に激しく延焼中で、近隣の都市は、厚い煙に覆われている。 ブラジル国立宇宙研究所(INPE)は2019年、過去最高となる7万2843件の火災を報告した、と複数の報道機関が報じている。そのうちの9000件を超える火災が、この1週間で発生した。 火
ホーム 研究成果 ヒアリの侵入に市民はどう反応したか? 大量のウェブ検索データから見る侵略的外来種への関心の時空間的変動 発表者 深野 祐也(東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構 助教) 曽我 昌史(東京大学大学院農学生命科学研究科生圏システム学専攻 助教) 発表のポイント 侵略的外来種に対する市民の関心がどのように時間的・空間的に変動し、その変動に何が影響するのかを、インターネットの大量の検索データを解析することで定量化しました。日本の侵略的外来種31種を対象に解析した結果、外来種の発見報告や外来種の分布、外来種の危険性、メディアによる報道などが検索量に影響することが分かりました。 これまで、生物や環境に対する市民の関心を調べるには、労力・費用のかかるアンケートが主な手段でした。本研究は、インターネットの検索データを用いることで、生物への関心の動態とそれに与える生態・社会
擬態を行う蛾の一種「オオシモフリエダシャク」が擬態する際に自分の目ではなく「皮膚」を使って周囲の環境を感知していると新たに判明しました。 Adaptive colour change and background choice behaviour in peppered moth caterpillars is mediated by extraocular photoreception | Communications Biology https://www.nature.com/articles/s42003-019-0502-7 Caterpillars of the peppered moth perceive color through their skin to match their body color to the background | MPI CE: PR Eaco
(CNN) インドのモディ首相は「世界トラの日」に当たる29日、インドに生息するトラの個体数がほぼ3000頭にまで回復したと発表した。 調査を実施した国家トラ保護局(NTCA)によると、インド国内のトラの個体数は2018年に2967頭となり、前回調査が行われた2014年に比べて33%増えた。個体数は2006年以来、増え続けているという。 世界自然保護基金(WWF)によると、世界に残されたトラは合計で4000頭に満たない。そのほとんどはインドの保護区に生息している。 モディ首相が冒険家のベア・グリルス氏と一緒にインドの野生生物生息地を訪れる番組の予告映像も同日公開された。番組は8月12日に放送予定。 モディ首相はツイッターへの投稿の中で、環境への配慮はインドの経済発展の妨げにはならないと主張し、インフラプロジェクトを継続する一方で、森林面積と保護区の数も増えていると強調。2014年に692カ
著者の中央大学法学部 海部健三准教授は、日本のウナギ研究のトップランナーの一人。 2018年に自身のWebサイト「Kaifu Lab」に掲載した、ウナギを取り巻く現状を解説する連載を元に、2019年現在の最新の研究成果・社会状況を踏まえてアップデートしています。 ズバッと教えてくれそうなタイトルですが、この本は短絡的に「食べてOK」「食べちゃダメ」を断言するものではありません。海部先生は、スタンスを以下のように明示しています。 現在の状況において、「ウナギを食べていいのか?」という疑問は、非常に当たり前で、適切なものです。しかし、その答えはシンプルではありません。本書においても、結局「食べてよい」または「食べてはいけない」という結論は出していません。なぜなら、食べる、食べないの決定は個々人がそれぞれの価値観に基づいてなすべきものであり、誰かが押しつけるものではない、と筆者は考えているからで
東海大学海洋学部助教の中山直英、ならびに近畿大学農学部松沼瑞樹助教、高知大学理工学部遠藤広光教授らの研究グループでは、これまで北太平洋からの報告記録がなかった深海魚・アズマギンザメ属(学名:Harriotta)の1種を日本から初めて報告いたしました。また、アズマギンザメ属全2種における従来の学名の抜本的な見直しを行うとともに、和名のない状態となった種「Harriotta raleighana」の新標準和名として「ヨミノツカイ」を提唱いたしました。さらに、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の深海探査船が撮影した同2種の映像記録を解析。2種の生息水深や遊泳行動の違いを明らかにいたしました。なお、これらの研究成果をまとめた論文が、日本魚類学会の学会誌『Ichthyological Research』オンライン版に、7月10日(水)付で掲載されました(DOI:10.1007/s10
(対談会場に、先生の専門であるゴリラの置き物をご用意して、 山極先生をお迎えしました) 山極 いやぁー、このゴリラはすごいなあ。 すごくよくできてます。 思わず写真を撮らせていただきました。 糸井 悪くないでしょう。 山極 はい、すごいですよ。 糸井さん、これはマウンテンゴリラなんですが、 なぜ私がマウンテンゴリラと言えるか、わかりますか? 糸井 うーん‥‥。頭のコブとかですか? 他にはローランドとか、 そういう区別がありますよね。 山極 ゴリラの種(しゅ)は、 ニシゴリラとヒガシゴリラに分かれています。 ニシゴリラの中には、 「ニシローランドゴリラ」と 「クロスリバーゴリラ」がいて、 ヒガシゴリラの中には、 「マウンテンゴリラ」と 「ヒガシローランドゴリラ」がいます。 まず、これがニシゴリラでないと 断定できる特徴というのが、 鼻の穴の間にある鼻柱(びちゅう)が 切れていない、ということ
農林水産業関係機関成果発表会の第三弾はアユの生息やアユ釣りにとって新たな脅威となる外来珪藻・ミズワタクチビルケイソウの話だよ・・・ 一部の漁協役員や釣り人の間では「何か気持ち悪い藻が増えている!」と囁かれていたのだけど、これがミズワタクチビルケイソウであると確認されたのは最近の事だ! 見た目は水綿と言うよりも鼻水だね・・・ 群馬県水産試験場の久下主席研究員の調査によると、群馬県内では神流川(上野村)、碓氷川(安中市)、烏川(高崎市)、赤谷川(みなかみ町)、発知川(沼田市)、利根川(前橋市)、桐生川(桐生市)で確認されたそうだ! アユなど魚類の生育や定着を阻害し、ラインに纏わりついて釣りの邪魔になることが懸念されているが、その生態や防除法はほとんど分かっていないのだ! 発表会では近県連携で山梨県水産技術センターから「ミズワタクチビルケイソウが放流アユの定着に与える影響」と題して報告があった!
稚魚の深刻な不漁が続き、資源の減少が懸念されているニホンウナギ。漁獲した稚魚からではなく、卵からふ化させて育てたウナギの試食会が開かれました。難しいとされてきた完全養殖の商業化にさらに一歩近づくのか、注目されています。 これはニホンウナギの完全養殖に取り組んでいる国の研究機関などが、報道機関向けに開いたものです。 通常の養殖では海や川でウナギの稚魚を取って、その稚魚を養殖の池に移して育てますが、深刻な不漁に直面しています。 こうしたことから国の研究機関では、ウナギに産卵させ稚魚から成魚まで育てたうえで、そのウナギに再び卵を産ませる「完全養殖」を2010年に成功させ、現在は商業化に向けた研究を進めてます。 試食会で提供されたのは、研究機関で人工的にふ化させた稚魚を、九州の水産会社の協力を得て通常の養殖池で育てたウナギです。 比較のため通常の養殖ウナギも合わせて提供されましたが、参加した人たち
いきものログとは 環境省をはじめさまざまな組織や個人のみなさんが持っている生きもの情報を集積して、みんなで共有して提供するシステムです。 みんなで生きもの情報を報告して、全国のいきものマップをつくろう!
2019年6月3日、イオンがウナギの新商品を発表しました。ウナギ蒲焼の代替品なども発表されましたが、今回の発表の中で最も注目されるべきは、「静岡県浜名湖産うなぎ蒲焼」です。一見何の変哲も無い真空パックのウナギの蒲焼に見えますが、実は日本初の商品なのです。「静岡県浜名湖産うなぎ蒲焼」の特徴は、「稚魚(シラスウナギ)の産地までトレースできる」ことにあります。なぜ、「トレースできること」が重要なのでしょうか。 密漁と密売によって支えられる日本の伝統的な食文化 ニホンウナギは漁獲量の減少が続いており、国際自然保護連合(IUCN)や環境省より、絶滅危惧種に区分されています。人工飼育下で卵を産ませて養殖する技術は商業的に応用されていないため、天然のウナギの子供であるシラスウナギを捕獲して、養殖しています。このシラスウナギの多くに密漁・密売が関与しており、これら違法なウナギが通常の流通を経て、一般の外食
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