以前髪を切った時の話である。その日買い物に出かけていた私は、ふと髪が切りたいと思った。 基本的にその瞬間に思った事を成し遂げたい、ワガママな人間なので 事前に予約する訳ではなく大体パッと目についた美容室に入る事が殆どだ。その日も「やってるー?」と門を叩くと日曜だったが、どうやら空いているらしい。 担当の指定は出来ませんがよろしいですか? と聞かれ「バッチコイ!」と返事して10分程待っていると、颯爽と美容師さんが現れた。 「本日担当させていただきます、◯◯です。宜しくお願いします。」 年齢は20代前半の女性、美容師さんらしくとてもオシャレで笑顔が素敵。 着座するとすぐに「今日はどんな風にいたしますか?」と小首を傾げながら問い掛けてくる。天使の様な笑顔だ。 一瞬心を持って行かれそうになったが努めて平静を装いながら応対する。 しかし改めて言われてみると自分は髪をどうしたいのだろうかと思った。 な