【ソウル=黒田勝弘】韓国各紙は15日、日本統治時代の韓国人労働者の日本での未払い賃金について、もはや日本に返還要求はできないとの韓国政府の公式見解を伝えた。韓国では元慰安婦や戦没者、徴用労働者など多くの関連団体や個人がいまなお、日本に対し各種の補償を要求している。韓国政府としては、補償問題は1965年の日韓国交正常化の際に日本政府から受け取った「対日請求権資金」ですべて終わっているとの立場を、改めて確認したものだ。 韓国人が過去がらみで日本政府や日本企業に補償要求などの訴訟をするのは自由だが、日韓双方の政府は「国家間の補償ですべて終わった」との立場で一致している。したがって今後は、補償が必要な場合は韓国政府に要求すべきだということになる。 韓国では、日本企業が敗戦前の韓国人労働者に対する未払い賃金を日本で供託していたため、韓国政府にその返還を求める訴訟が韓国内で起きている。 この供託金は3