去る10月3日、大阪で交声曲「海道東征」が再演された。戦後70年に当たる昨年の11月に作曲家・信時潔の没後50年も記念して、出身地である大阪で演奏会が開催された。本公演、追加公演とも大入り満員であった。それを受けての再演となったが、今回も盛況で深い感動が会場にあふれた。 本格的に復活した「海道東征」今回の再演は、この埋もれていた名曲が今後、各地の演奏会で取り上げられるようになる一歩であろう。「これは一人の人間にとっては小さい一歩だが、人類にとって偉大な飛躍である」という月面着陸の宇宙飛行士が残した有名な言葉をもじっていうなら、この復活は大阪の一つのホールで行われた小さな一歩だが、日本人の精神的覚醒にとっては大いなる飛躍をもたらすものとなるに違いない。 そして、来年の4月19日には東京で演奏会が開かれる運びとなった。会場は東京芸術劇場で、演奏は東京フィルハーモニー交響楽団である。一昨年の熊本