終結の見通しが全く立たない、ロシアによるウクライナ侵攻。 プーチン大統領は、ウクライナを完全に掌握するまで攻撃の手を緩める気がないように見える。 一体、彼は何に突き動かされて他国への侵攻を推し進めるのか。 欧米諸国からは理解しがたい、その行動原理を、元ANNモスクワ支局長の武隈喜一が解説する。(本文中敬称略) ■ 「自由」「多様性」はロシアを堕落させる ロシアは「力」がすべての国だ。「力」で相手を押さえつけ屈服させることが「正義」だ。だからロシア国民の伝統的な価値観では、一度戦争を始めた軍隊は、撤退できない。そして決定的な勝利を見せつけるまで戦いを止めてはならない。撤退や休戦は「弱みをみせる」ことだからだ。 戦いを止めるのは、痛めつけられ、いたぶられた敵から哀願された場合だけだ。 それがロシアの「正義」だ。 1994年のチェチェン戦争では、そうやって首都グローズヌイを、ひとつの建物も残らな
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