「無罪を言い渡すべき新たな証拠だ」。 栃木県足利市で女児が殺害された「足利事件」で、無期懲役が確定していた菅家(すがや)利和さん(62)が、1991年12月の逮捕以来、17年ぶりに刑を解かれ釈放されることになった。 4日中に服役先の千葉刑務所を出る。裁判のやり直しを求めた再審請求の即時抗告審で、検察が無罪を認める異例の判断を下したためだ。菅家さんは先月、無罪につながるDNA再鑑定結果を弁護団に知らされた際、「ありがとうございました」と涙を流したという。 東京高検は4日午前10時半過ぎから、渡辺恵一・次席検事と、大野重国・公判部長が記者会見を行った。 渡辺次席検事は終始硬い表情。用意した紙に目を通しながら、DNA型の再鑑定結果を受け入れ、菅家さんを釈放する判断に至った経過を説明した。 再鑑定結果を受けた意見書の提出は12日が期限だが、渡辺次席検事は「鑑定結果の一つが、無罪を言い渡すべき明らか