京都大学の山中伸弥教授らが、日本の若手科学者を育成するためには透明性の高い評価システムが必要だとする論説を、26日付の米科学誌サイエンスに寄稿した。 論説では、優秀な若手が将来のキャリア形成への不安から留学を控えたり、博士課程に進学するのをやめたりしている現状を紹介。日本の科学界の構造的な問題点として、女性の活用が進んでいないことや、若手科学者の独立性が確保されていない点を挙げた。 「(大学などで)世代交代が大幅に進むここ数年が科学界を立て直す好機」として、年齢や性別、国籍などにとらわれず、個々の才能を公正に評価するために、透明性が高く、信頼できる評価システムを確立することが必要と提言している。