たとえ義理であれ、くれたのが母親であれ、チョコレートをもらうとうれしい。甘いものは大好きだから、チョコレート以外のものでも頂ければもちろん大喜びだけれど、やはりチョコレートはなんだか特別なお菓子であるような気がする。人々が互いにチョコレートを送りあう風習の是非はさておき、バレンタインデーの贈り物に最初に目を着けたのがチョコレート業界ではなく、例えば甘納豆の業界だったとしたら、とっくの昔にこんな行事は自然消滅していたかもしれない。 時は第2次世界大戦の真っ只中、このまま戦争が激化してチョコレートが食べられなくなれば、国民の士気が低下してしまうのではないかと心配した人たちがいた。チョコレートは今も昔も人の心を湧き立たせる特別なお菓子で、にもかかわらず原料のカカオは100%輸入品だから戦争の影響をモロに受けるのだ。 そういう経緯で始まったのが代用チョコレートの研究だ。カカオを使わず、日本列島の中
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