3Dプリンターで作った仏像や神像の複製を無人の寺やお堂、神社に置く動きが、和歌山県で広がっている。像が盗まれる事件が県内で近年多発し、「身代わり神仏」として活用。和歌山県立博物館の主導で平成24(2012)年以降、県内8カ所で計19体が複製、安置され、全国的にも珍しい取り組みとなっている。 盗まれた仏像はオークションなどで売りさばかれるケースがあり、県警幹部は「海外に渡った可能性もある」と漏らす。 打開策として県立博物館が寺や神社に提案したのが、視覚障害者のための「触れる文化財」として活用していた3Dプリンター技術だった。1体数万~十数万円で複製が可能で、プラスチック製だが本物と見分けられないほど精巧。 同博物館の大河内学芸員は「こうした防止策もあると知ってほしい」と話した。 仏像などをめぐっては、長崎県対馬市で26年11月、寺から仏像などが盗まれる事件が起きた。盗み出されたのは市指定の有