1941年岩手生まれ。定時制だった岩手県立盛岡第一高等学校に通う傍ら、毎日新聞盛岡支局にて事務補助員を務め、写真と出会う。高校を卒業して上京した後は、東條会館写真部に勤務。その後、65年から新宿で1組200円のポートレート写真の請負を稼業とする「流しの写真屋」を始め、ゲイや娼婦ややくざなど多彩な人々を撮影。73年には写真集『新宿群盗伝66/73』を上梓。74年には東京国立近代美術館で開催された「十五人の写真家」展にも出展し、作品への評価が高まる。「流しの写真屋」を辞めて以降は、焼き芋屋や写真館経営などを経験しながら、フリーランスの写真家へと転身。以降、国内外の様々な場所へ撮影に赴くが、その間も一貫して新宿を撮影し続けた。 2006年肺炎により逝去。
北村紗衣(編著) 『共感覚から見えるもの アートと科学を彩る五感の世界』 勉誠出版、2016年5月 「共感覚」とは、ひとつの刺激から二つ以上の感覚が発生する現象である。例としては、音を聴くと色が見える、文字を見ると色を感じるなどといったものがあげられる。こうした感覚を日常的に経験している者も存在し、共感覚者と呼ばれている。共感覚はオカルトや超能力といったものと結びつけられやすく、体系的な学術研究の対象となることは少なかったが、近年、医学や脳科学などの分野で注目されはじめている。 本書は主に人文学や芸術といった視点から共感覚に取り組んだ16編の論考をおさめている。哲学や芸術の分野においては長きにわたり共感覚的なものへの関心が払われてきたが、一方で学術研究は散発的にしか行われておらず、各分野の研究がうまく接続されてきたとは言えない。本書はこうした状況を改善すべく、様々な人文学における共感覚研究
とてつもない観察眼だ。見ること、聞くこと、語りかけることが複雑に交叉する場所で、介護職員と認知症高齢者の、双方の「からだ」が互いをさぐりあい、形をつくる。さぐりあいはコンマ秒単位、目にも止まらぬほど高速で、しばしば当事者たちにも意識されない。著者はビデオ録画とフィールドノートをもとに、そこに即興のダンスのような、複数の行為の「ずれ」と解消の時間的構造を見出し、ほどいていく。そのまなざしと、ことば。 本書のことばの特徴は、逐一記述すれば長大になってしまう複雑でミクロな相互行為の「勘所」をわかりやすく教えてくれることだ。その記述には、つい真似をしてからだを動かしたくなるリズムがある。読みながら私も、二枚の尿とりパッドを重ねて、ずらして、いや穴をあけて…と、記述されたジェスチャーをやってみてしまう。わかりにくい動作については、いざわ直子氏によるリラックスしたイラストレーションが照らしてくれる。本
【目次】 序章 貧困の社会学的分析 第1章 貧困の社会学の誕生 [1] 大衆的貧困にたいするトクヴィルとマルクスの立場 [2] ジンメルの決定的貢献 第2章 貧困と社会的関係 [1] 扶助された貧困とその偏差 [2] 貧困への社会的な関係の基盤 [3] 説明要因 [4] 類 型:〈統合された貧困〉〈マージナルな貧困〉〈降格する貧困〉 第3章 統合された貧困 [1] 常態的・再生産的な状態 [2] 家 族:生存という問題 [3] インフォーマル経済と恩顧主義 第4章 マージナルな貧困 [1] ほとんど眼に見えなくなった貧困 [2] 表象の安定 [3] スティグマ化のリスク 第5章 降格する貧困 [1] 社会的不安定の回帰 [2] 空間的降格の新たな形態 [3] 失業の経験と社会的孤立 [4] 不確かな対応策 終章 貧困の科学と意識 補論 欧州人は貧困をどのように見ているのか 日本語版に寄せて
パリの襲撃事件以来,注目を集める「ホームグロウン」の若者たち.そのような移民・マイノリティの若者が集住する「郊外」はどのように形成されたのか.「郊外」を起点にフランス主流社会とマイノリティの亀裂をたどり,暴力の背後にある排除と抵抗の実態にせまる. 序章 フランス主流社会とマイノリティの亀裂を問う 1 フランスの移民統合の理想と現実――OECDの比較調査から 2 移民からエスニック・マイノリティへ――呼称変化とアプローチの転換 3 郊外「セーヌ・サン・ドニ県」への注目 1章 フランス郊外研究の視座――空間と結びついたマイノリティの差別と排除 1 日本とは異なる郊外像 2 モラル・パニックとメディア,政治空間 3 先行研究における「郊外」の位置づけ 4 本書の枠組み――差別,排除,レイシズム 5 本書の方法と構成 2章 多様化する郊外とマイノリティ 1 「移民」と「郊外」の関係を整理する 2
2007年に翻訳版が発売され、日本のヒップホップ・シーンでも大きな話題となった書籍『ヒップホップ・ジェネレーション』が、新装版となり9月16日に発売された。 ヒップホップの成り立ちと時代ごとの変遷を、さまざまな問題を抱えるアメリカ社会との関わりとともに、丹念かつドラマチックに描いた本書は、ライムスター・宇多丸氏も「絶対に読んでおくべき決定的な一冊!」と絶賛していた。約10年近い歳月を経て、日本を含めて世界中のヒップホップシーンが変化した中、改めて本書を手に取ったとき、そこにはどんな価値が見出せるのだろうか。リアルサウンドでは、本書に推薦文を寄せている宇多丸氏本人にインタビューを実施。前編では、本書を再読して感じたことや、この10年でヒップホップシーンがどのように変容したかについて、じっくりと語ってもらった。聞き手は、音楽ライターの磯部涼。(編集部) 宇多丸「サウス・ブロンクスの荒廃を、50
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く