昨年の日本シリーズ第4戦で見せた「森福の11球」を彷彿とさせる投球内容で、今季のCSファーストステージ第1戦、第3戦において見事に投げきった。 “やめてくれ……” 一塁側ブルペンで待機していた森福允彦は、心のなかでそう呟いていた。 10月13日クライマックスシリーズ(以下CS)、西武とのファーストステージ初戦。2対0とソフトバンクのリードで迎えた9回、火消し役でマウンドに上がったファルケンボーグが、まさかの大誤算となった。 先頭の中村剛也を四球で歩かせると、続くオーティズには二塁打、ヘルマンにも四球を与え、無死満塁と逆転サヨナラの大ピンチ。たまらず、秋山幸二監督がベンチを出る。 ピッチャー、森福――。 「まさか出番が来るとは思いませんでした。『やめてくれ』とは思っていましたけど、ブルペンにいたときからコーチに『バックアップしてくれ』と言われていたので、いつでも行ける準備はしていました」 わ