酸化インジウム(In2O3)に数%の酸化スズ(SnO2)を添加した化合物のこと。英文名は,Indium Tin Oxide。可視光の透過率が約90%に上るため,液晶パネルや有機ELなどのFPD(フラット・パネル・ディスプレイ)向けの電極として多用されている。 液晶パネルでは液晶分子の配向を制御するための電圧を印加する電極として,有機ELパネルでは正孔輸送層,発光層,電子輸送層を挟む陽極としてITOが使われている。また,太陽電池,抵抗膜方式のタッチパネル,青色発光ダイオードの電極としても採用されている。 ITOの最も一般的な製法はスパッタリング法だが,近年ITOをインク化して,塗布,加熱,融着させる手法の開発が進んでいる。印刷により成膜できるので低コストで済み,廃材も削減できるというメリットが注目されている。ただし,ITOインクを使ってITO膜を形成すると,スパッタ装置で形成する一般的なIT
![ITO(酸化インジウムスズ)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bed39b5962a5d552c95b6d796db8f55e72d32943/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fimages%2Fn%2Fxtech%2F2020%2Fogp_nikkeixtech_hexagon.jpg%3F20220512)