先天的に指紋が欠如する疾患「adermatoglyphia」について、遺伝子変異が原因だとする研究結果が公表された。 人間には生まれた時からほぼ例外なく指紋があり、その紋様は一人一人異なる。ところが、adermatoglyphiaの患者には生まれつき指紋がない。非常に珍しい疾患で、世界でもわずか4つの家系でしか確認されていない。また、「入国遅延病(immigration-delay disease)」という呼び名もある。指紋がないと、国境通過手続きに時間がかかるためだ。 研究結果を発表したのは皮膚科医のイーライ・スプレッチャー(Eli Sprecher)氏。イスラエルのテルアビブにある医療センターで原因究明に取り組んできた同氏は、症状が見られるスイスのある家系に注目。通常の指紋を持つ7名と無指紋の9名、計16名からDNAを採取し配列を調べた。大量の遺伝子を解析したところ、ついに研究チー